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2007年9月24日 (月)

ワッチアップ!

 元々はアメリカンフットボールの用語だと、ヨットの雑誌で読んだ。
 △11の理解では、「上を見ろ=足元ばかり見るな」という意味で、具体的には例えば「しゃにむに中央突破を試みず周囲を見て相手の守備陣の薄いところ、味方の攻撃陣の濃いところにボールを回せ」ということである。
 ヨットでは、「ロープや舵の操作に忙殺されるのではなく、風や潮の流れはどうなのか、周囲の船はどうしているのか、自分の船はどうしているのか、その結果どうなっているのかを見て次の戦略を決めろ」ということになる。

 いつ読んだのかはすっかり忘れてしまったけれど、どこの業界でもこれを心がけている。
 そもそも自転車でもスキーでもこれをやっていたから、この文章を読んだ時合点が行ったのであろう。高速走行時には視界全部に10%程度の集中度で意識を分散する、換言すると「どこも(集中しては)見ない」という見方が必要なのだ。何かおかしいと思ったらその箇所に20%程度の集中度を回す。事故の前兆だと思ったら40%の集中度を回す。そして最終的に事故を防がなければならない段階になって80%の集中度をその箇所に回し、回避に全力を挙げるのだ。

 介護の業界に入ってもこれは役に立った。一つ事故が起きると一斉に職員の目が事故に集まる。事故の周囲に人だかりが出来る。本人たちは「仕事をしている」という自覚の元、やっていることは野次馬である。そしてすっかりその他のことは留守になる。他のところで転倒注意者が立ち上がろうとしているかも知れないのに。
 △11は転倒で床に落ちて行く入所者の頭の下に手を入れたりして何度も事故の被害を小さく、もしくはなくした。それを先輩はこう言った「よく事故の時にいるなぁ」そうではない。最初から周囲を広く見渡し、何かおかしいと思ったらその箇所に20%程度の集中度を回す。事故の前兆だと思ったら40%の集中度を回してそちらに走る。そして最終的に事故を防がなければならない段階になって80%の集中度をその箇所に回し床めがけて落ちて行く入所者の頭の下に手を入れるのだ。
 こう書くと物を知らない者はこう言うかも知れない。「最初から視界全体に100%の集中度を持っていればその方が良い」しかしこれは机上の空論であり、ちゃんと仕事をし、そしてその仕事の内容を自覚している人間は絶対にこれに同意しないだろう。全てはトレードオフであり、人間の集中力というものはどこかに回しただけどこかが留守になるものなのだ。

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