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2012年7月12日 (木)

福祉関係者は事故対策を航空業界に学べ

 介護で働いている時、申し送りで事故の報告があるとする。その申し送りの締めに介護主任が「皆で事故に気をつけましょう」というコメントをして申し送りが終了することがよくあって、△11はこれが嫌いだった。

 誰だって事故は嫌だから、事故の前だって、皆自分の能力の範囲で気をつけていたはずである。
 例えば「人員配置が悪い」とか、「確認事項が多い上に確認システムがちゃんとしていない」とか、何か「皆で事故に気をつけ」てもカバーできない問題があるから、事故が起きているわけなのだ。

 そこでのコメントが「事故に気をつけましょう」ということは、論理的可能性として

・介護主任は「皆が故意に集中力を下げていた」と認識している。
・介護主任は事故対策をする気がない。

 のどちらかしかない。

 「んな細かいこと、揚げ足取りだ」と言う人も多いかも知れない。

 しかし、本当に事故を減らしたいのか。
 減らしたいならば、人間に無限の集中力を要求してはならない。人間の集中力が有限であるという厳然たる事実を直視し、その有限な集中力をどう活用すれば事故に繋がらないようにできるのか考えて指示を出すべきだ。

 どうも「事故に気をつけましょう」に限らず介護業界には、「私は事故が起こらないように対策しました」と言えるためだけの対策が多いように思う。
 本当は、例えもしそれが他の職場との広範な連携が必要になり一時職場で「面倒臭いこと言い出しやがって」と思われ疎まれるような内容であっても、例えもしそれが周囲の素人、、、警察、報道、野次馬その他もろもろ、、、から「おぃおぃそんなことやったから事故が起きたんじゃないのか」とか「マヌケかつ事故対策と関係がない」と思われそうな内容であっても、実際に事故が減る対策を断行するのがプロの役割じゃないのか。

 △11が見る限り、そういう「実質の事故対策」というものが一番生きているのが航空業界だ。

 例えば自動車業界、鉄道業界、船舶業界、山岳業界と事故対策が課題の業界は他にもいっぱいあるが、なぜ航空なのか。
 これは簡単。航空業界が一番「本来は危ないこと」をやっているからだ。航空機は、燃料を使って金属の塊を空中に浮かべている。そして矛盾を含んだ難関「着陸」を乗り越えないと安全な状態に移行できない。色々な危険因子が時間制限つきで変化し、その中で適切に対応しなければ絶望的な状況に直結する。
 そんな中での安全対策であるから、実質を伴わないタテマエなんか言ってられない。是が非にも実質的な対策を採らねばならない現実が目の前にあるのだ。
 航空業界の人が書いた事故に関する対策で「皆で事故に気をつけましょう」なんて甘っちょろいことが書かれているのは見たことがない。
 そうやって実質の事故対策に邁進してきた結果、数ある輸送手段の中で一番「本来は危ないこと」をやっている航空機が、実際には一番安全である。

 だから、何もせず「事故に気をつけましょう」と内輪のナァナァで済ませて行くことも可能な介護業界にあって、それに甘んじたくない人は、介護業界の事故対策を勉強した上で航空業界の事故対策も勉強すると有効だと思う。「どうしてそういう選択をしたのか」「本当の事故対策とはどういうものなのか」、その通底に流れる思想を航空業界から汲み取るのである。

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