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2013年3月14日 (木)

「馬力」には3種類あって、それぞれ別の単位である

 昔の自動車関係の書籍を読んでいて思うのは、

・英馬力=HP(英語:Horse Power)
・仏馬力=PS(ドイツ語:Pferdestärke)
・日本馬力

 の3つの単位の違いが意識されていないのではないか、ということだ。同じ記事でHPとPSが同じ数値で混在していたり、HPの訳語として馬力を使っていたりする。

 今更当たり前のことを書くようだが、英馬力、仏馬力、日本馬力は違う単位である。
 取引で、米ドルと契約書に書いてあるのに、香港ドルで支払っても大丈夫だと思う馬鹿がどこにいるだろうか。しかし自動車出版業界でエンジン出力を記載する際にはまかり通っていた。今でもその影響は一般人にもかなり残っている。

 メートル法のみにどっぷり浸かって出たことがない人には分かりにくいかも知れないが、同じ呼び名の単位が地域によって、用途によって少し違うというのはよくあることだ。有名なのを挙げるが、他にもある。
 例えば長さの単位。フィートには国際フィートと測量フィートがある。
 例えば体積の単位。ガロンには英ガロン(4.54609リットル)、米液量ガロン(3.785411784リットル)、米穀物ガロン(4.4048428032リットル)がある。
 例えば重量の単位。常用オンス(28.349523125g)とトロイオンス(31.1034768g)がある。
 例えば速度の単位。ノットは1マイル/hだが、その1マイルが、、、まぁ事実としては国際海里=ノーティカルマイル(1852m)でほぼ統一されているのだが、色々ある。

 面倒臭いな。それだけじゃなく危ないじゃないか。そう言えばイランイラク戦争の時だったかに戦闘空域を避けるためコロンボに寄港して給油した機長が給油量の計算が合わずしばらく混乱したと述懐していたのを読んだことがある。機長が給油で考えている単位は米液量ガロンなのだが、設備側が「これだけ給油した」という数値は英ガロンだったというような話だった。

 そもそも、メートル法というものはそういう単位の差による面倒や錯誤を防ぐために策定されているわけである。

 自動車エンジン出力の話に戻る。
 「日本馬力」はメートル法に直すと750Wだ。しかし現在は使われなくなり、日本で「馬力」という場合には仏馬力を指すことが多いという。こういうのが一番混乱を招くのである。
 「仏馬力」はメートル法に直すと735.49875W、、、なのだが日本での仏馬力は735.5Wということになっている。換算を単純にするためだろうか。
 「英馬力」はメートル法に直すと745.69987158227022W。
 当然、外国語のデータでpsとあったのを日本語訳するなら「仏馬力」と書かねばならない。また海外書籍では小文字の表記もあるが、アルファベットで書くなら日本の計量単位規則により大文字でPSと書くことになっている。

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