« 登山におけるチタンとアルミニウム | トップページ | バーナーヘッドが小さいのは欠点か »

2013年11月 1日 (金)

OD缶は何度まで使えるか

 「OD缶は何度まで使えるか」というお題を掲げて記事を書き始めたが、書き終わってから読み返してみるとこれは嘘である。正確に言うとこの記事は「OD缶は何度まで使えるか」を考える上で考慮すべき関連事柄をいくつか挙げただけだ。
 寒冷地用ガスで対応できないかも知れない場所で使えるかどうかなんて、自分で責任持って考えるべきで、ガス以前に身体が対応できないであろう△11ごときが口を出す場ではないのである。

 さて。サイトによってはこう書いてある。

「ノルマルブタンの沸点がー0.5度、イソブタンの沸点が−11.7度、プロパンの沸点が−42.1度であるから、それ以上であれば使える」
「混合されているガスに関しては、気温が沸点を超えているガスのみが燃え、超えていないガスはそのまま残る。」

 いやいやそんなに単純じゃないでしょ。まぁ分かりやすく単純な話をしていることを自覚した上でしているなら良いけど、実際にはそうはならない。

 使い始めると、液化されていたガスが気化する際気化熱が奪われボンベが冷やされるとともに、ボンベの近辺に火が燃えているわけだからボンベが温められる。

 冷やされるのは気化量に比例するので努力の余地はなさそうだが、温められるのは努力の余地があるから、ボンベの内部温度はストーブの構造や使い方によって大きく変わるだろう。

 狭いテントの中なら、最初に点火さえできれば、使っている間に気温は上がる。
 分離型ならボンベをストーブに近づけることである程度温度を上げられる。一体型でもバーナーパッドとか噛ませば輻射熱が増やせるだろう。点火して最初に作った湯をフライパンに張ってそこにボンベを漬けて使うとか、朝食に備え前の晩寝袋の中にボンベを放り込んで寝る、というノウハウも広く知られているところだ。

 無論メーカーは「テントの中で使うな」「ボンベを火に近づけるな」「輻射熱が多量に発生するような状態で使うな」と言っているが、火がつかないことで遭難しそうなら自己責任で最後はライターでボンベのお尻を炙ってでも火をつけるしかない。昔売ってたパワーブースターもそういう原理でしょ。
 ただ際限なくお尻を炙って爆発させる馬鹿が出て来るからそういう建前で突き通すしかないのだろうし、パワーブースターだって売るわけには行かなくなったのだろうし、まぁ△11自身だってもし山道具屋の店員だったらお客に「寒くてガスが出なかったらライターでお尻炙ってみて下さい」なんてことは言えない。

 でもさ、そうするとだんだんアドバイスってできなくなって、有用な道具も買えなくなって行くんだよね。

 ところでガス成分のまとめサイトなどで、メーカーが「ブタン」と記述しているのを無造作にノルマルブタン扱いしているサイトが多い。実際には普通にブタンを持って来た場合、ノルマルブタンとイソブタンが混じっている。つまり実際には「ブタン」と記述があった場合、「イソブタンの割合を増やしていない、広義のブタン」「イソブタンではない、狭義のブタン=ノルマルブタン」の2通りの意味があるので、どちらを意味しているのかを確認する必要がある。
  例えばプリムスのTガスの中身表示は「ブタンガス約75%、プロパンガス約25%」である。寒冷地用ガスを作る際に、元々含まれるイソブタンをわざわざ抜くわけがないから、ここで言うブタンとは「イソブタンの割合を増やしていない、広義のブタン」だと思う。またこれに関連するがプリムスのGガスは「ノルマン(ママ)ブタン約65%、イソブタン約33%、他」で、これを「さすがは有名ブランド、ノーマルガスでもイソブタンを混合している」としている人がいるのだが、これは牛乳に例えれば「成分無調整」そのものの割合だと思う。
  「イソブタンではない、狭義のブタン=ノルマルブタン」の意味で使っていると思われるのは、例えばスノーピークのイソカートリッジの中身表示「液化イソブタン・液化ブタン」とか、SOTOのパワーガストリプルミックスの中身表示「液化ブタン・液化イソブタン・液化プロパン」である。ブタンとイソブタンを併記しているのだから、ここでは「ブタン」=ノルマルブタンだろう。

関連記事:
初心者がストーブを買う時何を選ぶべきか、2013年10月版

編集

|

« 登山におけるチタンとアルミニウム | トップページ | バーナーヘッドが小さいのは欠点か »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/118328/58469295

この記事へのトラックバック一覧です: OD缶は何度まで使えるか:

« 登山におけるチタンとアルミニウム | トップページ | バーナーヘッドが小さいのは欠点か »