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2016年5月10日 (火)

登山における計器と地図、2016年05月版

 いろいろな考え方があるようだが、個人的な意見を書く。いつものように、理由を添付するのでそれを読んで納得できたら自己責任での採用を検討し、納得できなければ採用しなければ良い。

 まず、そもそも「初心者向けコースなら地図やコンパスを持ち歩かなくても道には迷わない」という意見があるが、これは、、、変な言い回しになるが「もし正しくても間違っている」と思う。
 地図やコンパスは道に迷ってから出しても無駄で、自分が地図上のどこにいるのか=自位置が分かって初めて「こっちに行けば良いだろう」という話になるのである。自位置が自明である段階から自位置を把握し続ける、そのための地図とコンパスなのだ。地図やコンパスを以ってしても自位置が分からなくなったら分かる場所まで戻る。これが鉄則だ。
 今歩いている道で迷う可能性があるかどうかよりも、迷う可能性がない段階から地図やコンパスに接して使えるようになっておかないと、迷う可能性のある場所に行きたくなってから一生懸命学んでも時間がかかる。よって普段の街歩きからコンパスや地図に触れて自位置を把握し続ける訓練をするべきと考える。

 コンパス。地図とともに必須だ。

 以前はプレートコンパスを勧めていた。動作温度保証がある、縮尺に応じた定規があるなど利点はないことはないし、もちろん大きな問題もない。しかしいずれも今は積極的にお勧めしない。もちろん持っても良いのだが、普通の登山者にそこまで本格的なコンパスが要るか?と思うのだ。登山の世界が体育会系の登山部/山岳会の風土を引き継いでいて「何が何でも本格的な機材を」という空気が残っているのなら、従う義務はない。「将来、薄くなった道を探しながら歩くなんてこともやってみたい」という人はこっちにしておけば買い替えが省けるかも知れない。有名メーカーとしてはフィンランドのスントとスウエーデンのシルバが知られている。

 例えばスントA30/シルバNo.3「レンジャー」。


 これらが登山の世界で普通の人が使うコンパス最高峰。
 蛍光が入っているが、特別必要性を痛感するような経験はしていない。スントA30の使用温度範囲は摂氏ー35度から+60度。シルバNo.3は摂氏ー40度から+60度。

 例えばスントA10/シルバNo.7「フィールド」。

 ルーペ機能がない、プレートが短いなど、初心者向けとされている。スントA10の使用温度範囲は摂氏ー30度から+60度。シルバNo.7の使用温度範囲は摂氏ー20度から+60度。

 最近積極的にお勧めしているのは、腕時計のベルトに通すコンパスだ。出すのが億劫な本格的コンパスなどより、見たい時に気軽にすぐ見られることがコンパスにとって重要だと思う。
 Gショックなど腕時計のベルトが分厚いと通らない場合もあるのは要注意。
 以下いくつか例を挙げるが、どれでも良いと思う。夏山前提であり、まして腕につけているので、動作温度保証は必要ない。もちろん事前に下界で機能することを確認すること。

 ビクセン。


 東京磁石工業。


 腕時計やスマートフォンにコンパス機能が入っていたら要らないかというと、そんなわけには行かない。電池が切れて使えなくなるものは、ないものとして考えねばならない。

 自分では、腕時計のベルトにモンベルのスリップオンリストコンパス1827638を装着した上で、非常用品袋にスントA30を入れている。

 地図はコンパスとともに必須。

 これも体育会系の登山部/山岳会の風土を引き継いでいて「国土地理院の1/25000地図が必須」とかいう人がいるかも知れないし、その方が細かい地形まで見えて自分の位置は分かりやすいかも知れない。が、最初からそこまで必要とは思えないし、これは消耗品なので、行きたい場所に合わせて買った方が無駄が出ない。

 個人的には昭文社の「山と高原地図」が良いと思う。コースタイム、危険箇所、水場などの情報も得られる。各山域ごとに毎年出ている。


 紙製ながら防水なので雨の中でも見られるが、個人的には原本を風に飛ばされると困るし、気軽に毎度出して見られるようにするため、カラーコピーしてマップケースに入れて使っている。原本も非常用品袋に入れて持ち歩く。

 そのマップケース、防水で、適当に重くないのならどれでも良いと思う。マップケースが地図原本より小さい場合、使う範囲を表に出して使わない部分を折って入れる。地図はもし必要になった場合に備えて、切らない。

 以前使っていたのはハイマウント/クラレファスニング。随分前からの定番商品だったが、最近廃盤になったのかメーカーサイトで検索できない。


 左がM、右がL。結構使い込んだ末ではあるが、折り返し部分から破れてしまったのと、ベルクロテープが剥がれてしまった。

 次に選んだのはモンベルで、△11が使っている旧型は軽量化を優先したせいなのかすぐに破れてしまい交換してもらい、その後はかなり丁寧に扱っている。リンクは新型。

 新型になって耐久性能がどうなったかは分からない。

 イスカのドライマップケース。

 使ったことないので誰か人柱をお願いします\(^_^;0101

 高度計はとりあえず要らない。
 登りっぱなしまたは降りっぱなしと分かっているルートに高度計があると「どれだけ来て、どれだけ残っているのか」が分かるので、気分的に随分楽に歩ける。これは概算で充分なので「登山用に腕時計を一つ買う」なんてことになった時に「高度計が付属する機種にしようか」程度の話。

 温度計は要らない。

 ハンディナビは有益だとは思うが、まだ一般化しておらず高価で、未だ初心者が検討する段階ではないと思う。
 もし自分で買うとしたら、という話ならこれ、ガーミンのeTrex20xJ。日本登山地形図、日本道路詳細地図を併用する。

 単3×2。小型軽量。防水防塵は日常生活防水のIPX7。
 「スマートフォンで充分だ」という人もいるかも知れないが、そこはさすが専用機器、手袋をしていても使いやすくしてあるようだし、衝撃や水濡れには比較的強いだろうし、登山中携帯電話の電池は緊急通報用に温存した方が良いと思うんだな。
 高価ではあるが、
日本詳細道路地図を併用すればカーナビにもなるので、自動車に組み込みのバカ高いカーナビ買うくらいならこれ買った方が効率良いかも。
測位は衛星電波のみであり、ポータブルカーナビしか経験のない△11はストレスを感じないはずだが、カーナビとしての」測位性能は車速センサーを併用する組み込みカーナビ、基地局電波を併用する携帯電話に劣るだろう。 
 上位版のeTrex30xJは電子コンパスと気圧高度計がついているが、16000円も高価になり馬鹿らしい。下位版のeTrex10Jは拡張性が低くもったいない。内外価格差が大きいのは残念で、サポートの手厚い並行輸入業者を検討しても良いかも知れない。
 もちろんこれを携行しても、万が一の故障や誤動作に備え通常のコンパスと地図も携行する必要がある。

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