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2016年5月 4日 (水)

登山におけるレインウェア、2016年05月版

 時間が経過したので登山におけるレインウェア、2014年01月版を改訂する。

 まずこの記事は初心者を対象としているので、夏山しか考慮しない。

 登山に、レインウェアは必須である。
  「予定している日程、ずっと良い天気予報だから大丈夫」というわけにはいかない。山の上は下界と天気が違うし、変わるのも急で、また悪くなった時は風も雷も下界より激しい。絶対に悪天候に備える用意は持たねばならない。
 下界だと雨に備えて持つのは傘だが、山の上では強い風がある時が多く、雨への備えとしては役に立たない。
 濡れると不快で寒いし、ズボンが重く足に引っついて疲労が甚だしくなり、遭難に直結しやすい。

 登山用のレインウェアに必要な条件は、防水透湿である。
 撥水だけではダメ。水を弾く撥水と、水を通さない防水は別の概念で、撥水だけだと土砂降りとか、長時間雨に降られた際に水が中に通る。詳細は撥水性と防水性は違う概念で。
 登山の場合着ている時間が長いため、透湿が絶対に必要。身体から出た蒸気が抜けないと結露し、防水でも身体はびしょ濡れになる。水は熱の伝達が早いので、身体が濡れると冷える。身体が冷えだせば遭難の危険が一気に高まる。運動量が大きいため、ただ透湿性がありさえすれば何でも良いわけではなく、ある程度高い透湿性が必要だ。

 雨が急に降って来た時に、雨宿りできる場所はない。登山靴を履いたまま迅速に着れる必要がある。もちろん降って来そうな時には早めに着込んでおく判断が欲しい。
 着る時にはファスナー、ボタン、ベルクロ等ちゃんとしたことを確認すること。濡れていることに気づいた時には広範囲べったりになっている可能性もある。
 厳しい条件で使うものなので、薄っぺらくなる超軽量モデルは初心者にはお勧めしない。

 昔は防水透湿のレインウェアがなかった、もしくはあっても極めて高価で、また頑強でなくすぐ剥離して使えなくなったため、昔からの登山者は「ウィンドブレーカーを別に持て」という人がいるが、そんな配慮は今のレインウェアに必要ない。レインウェアをウィンドブレーカーとしても使う。
 サイズを選ぶ際に迷ったら大きい方を買うこと。寒い時には着込んだ上に着れる必要があるから。

 △11は登山用のレインウェアに関してモンベルしか考えない。無論他のメーカーも出しているのだが、良いものが安価で、モンベルしか考慮しなくて良い状態にある。

 モンベルは結構毎度改良されており旧型はアウトレットで処分されるので、新型が出た直後で自分に合うサイズがあればそちらを狙っても良い。改良への執念は買うが、実用面で「こんなん出ちゃったら旧型を使う気をなくすぞぉ」みたいな革命は起きていない。
 男性用と女性用が分かれているモデルが多いが、胴回り等少し細めである点、色の設定が女性向けに考えられている点、ロゴマーク中の色付きの菱形が男性用が青に対し女性用が赤になる点を除けば問題なく使えるはずだ。

 「モンベルだけでもあまりにたくさん商品があるので、わけがわからない」という人もいるだろうから、簡単に位置付けを解説する。まず防水透湿素材にWLゴア&アソシエイツ製のゴアテックスを使うモデルと、自社製のドライテックやハイドロブリーズを使うモデルに分ける。
 ゴアテックスを使うモデルは正統型がストームクルーザー、軽量型がトレントフライヤー、普及型がレインダンサー。
 自社製防水透湿素材を使うモデルは軽量型がピークシェル、普及型がサンダーパス、超軽量型がバーサライト。特殊な製品として通気性があるレイントレッカー、半袖にもできるコンバーチブルレインがあるが、初心者が検討するようなものではなかろう。

 詳細はゴアテックスと類似品の差に委ねるが、透湿性に差があったとしても、個人的には初心者ののんびりペースで透湿性が不足するなんて考えにくいので、ゴアテックスにこだわる必要はないと思う。

 個人的なお勧めはジャケットがピークシェル。男女兼用。そんなに高価でないのに軽いのだ。13900円税別、平均重量202g。

 ちなみにゴアテックス製の軽量モデルトレントフライヤーとなれば21000円税別もするのに平均重量215g/194gなのだ。

 軽くなくても良いから安価で丈夫な方が良い、という方はサンダーパスで充分。男女別の設定となっている。8500円税別、平均重量340g/285g。

 パンツのお勧めはサンダーパス。男女別の設定となっている。5500円税別、平均重量239g/216g。

 ジャケットでお勧めしたピークシェルであるが、パンツはお勧めしない。登山中に雨が降ってきた時には迅速にレインウェアを着る必要があるところ、登山用の靴は足首まで覆っている上に靴底が滑りにくく、非常に脱着がしにくい。そのため登山用のレインウェアは長いサイドファスナーがあって大きく裾を開けるようになっているものなのだが、ピークシェルのパンツにはこのファスナーがない。登山用として致命的欠点に近いと思う。
 登山中パンツは草や小枝などと擦れる。軽量型は生地が薄いので、パンツだけでも丈夫なモデルを選ぶと、全体として製品寿命を延ばすことにもつながる。 

 コンバーチブルレインはピークシェルをベースとしているようだが、パンツはサイドファスナーがあるので、これを検討しても良いかも知れない。ファスナーが多い分だけ重くなってしまうが、仕方ない。

関連記事:
登山における用具全般、2016年05月版
ゴアテックスと類似品の差

撥水性と防水性は違う概念

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