熊鈴に関するあるmixiつぶやきに反論する
mixiニュースクマが自衛隊員襲う=訓練の下見中―福島に関する天 目という人のmixiつぶやき
だって。
結論から言えば、熊除けに鈴は有効である。
ちなみにヒグマに対する私たちの考え方と取り組み(知床財団へのリンク)によると、2009年以降ヒグマの目撃件数は斜里町と羅臼町合わせて750件/年を超え、2012年度は2150件に達したという。ものすごい件数だ。
出没時の対ヒグマ対策としては「① 威嚇、追い払い」「② 出没地点周辺の調査」「③ 駆除」「④ 捕殺個体の調査、採材」となっており、必ずしも即座に駆除する話になるわけでもないのが分かる。駆除の話は「餌付け行為や生ゴミの管理不徹底が原因で、人間の食べ物を口にして人間に付きまとうようになってしまった」という段階に至ってからである。
食べ物を探しているうちに人間の周囲に食べ物があることを覚え、人間に付きまとうようになってしまう。これを放置すると人間との事故が起きるので、その前に処置する」、ヒグマと日常接する現場の、これが結論。
人間を食べて味をしめまた人間を襲いに来る話は、多分三毛別羆事件(Wikipediaへのリンク、7名死亡3名重傷)が念頭にあるのだと思うが、これとて最初はトウモロコシを食べに来たのであり、しかも馬が騒いだので熊は撤退している。再度トウモロコシを食べに来たところに人間が気がついて驚き、熊を刺激したために事故につながり、それで人肉を食べて味を覚えてしまった、という順である。
史上二番目の熊被害、石狩沼田幌新事件(Wikipediaへのリンク、4名死亡3名重傷)は馬の死体に寄ってきたのが発端である。人間を食いに来たのではない。
史上三番目の熊被害、十和利山熊襲撃事件(Wikipediaへのリンク、4名死亡2名重傷)は原因が書いてないが、タケノコ狩りをしていて襲われている。
史上四番目の熊被害、札幌丘珠事件(Wikipediaへのリンク、3名死亡2名重傷)は冬眠中の熊を起こしてしまったのが発端である。人間を食いに来たのではない。
これも有名な熊被害、福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件(Wikipediaへのリンク、3名死亡)は人間の食べ物に寄って来たのを追い払い、クマと荷物の取り合いになったのが発端である。銃殺後熊の胃袋から人肉は出なかった。
原因が不明の十和利山熊襲撃事件を除き、いずれも、最初から人間を獲物として認識し襲ったのではない。一度人間を食べた熊が「弱くてのろまで捕まえやすく食べ応えがある」獲物として人間を認識するようになってしまった事例はあるが、しかしそういう熊はもちろんのこと人間の死亡という結果をもたらしてしまった熊は人間が寄ってたかって殺してしまうため生き残らない。史上最大級の被害を出した事件を一通り見てもこれなんである。っていうか、熊が人間を見るなり獲物として襲ってくる性質の動物だったら、人間がこれまで放置したわけがない、とうの昔に全数駆除で絶滅させられてるって(^_^;
ちなみに以上挙げた大事故のうち、十和利山熊襲撃事件を除きヒグマによる事故である。これは「人間との体格差」によると考えられる。ヒグマが180kg、ツキノワグマが60kg、人間が60kgとすれば、ヒグマからみた人間の体重を人間から見た場合20kg、ツキノワグマから見た人間の体重を人間から見た場合60kgになる。人間が20kgの動物と60kgの動物のどちらと喧嘩せねばならんとしたらどちらと喧嘩するか考えてみればすぐ分かるはずである。
△11から見るに、相手の体格が上の場合は言うまでもなく「体格が下の相手なら勝負できる」とも思わないし、野生動物からしてもそうだと思う。昔家で飼っていた柴犬は多分10kg程度だったと思うが、怒った時は凄まじく恐ろしかった。動体視力が比較にならず、多分彼らが本気で△11を殺そうと思えばすぐにでも殺せたと思う。犬の特性で「自分より上の立場だと思っている者には逆らってはならない」という観念から殺そうと思わなかっただけだ。
まして、これは救急医療も健康保険もない世界の話である。ある程度以上の大きさの動物を襲って怪我でもしたら、それだけでその後の生存は危うい。一大決心が必要だ。自然界に生きる動物はそんなに無謀ではあり得ないのである。
熊と人間の事故は、まぁ個別にはいろいろあるが、出合頭で驚いてパニックに陥る、人間が小熊にちょっかいをかけたのを排除しようとする、人間が放置した食べ残しに釣られて接近してしまう、などである。
出合頭で驚いてパニックに陥るのが原因とすれば、「人間がここにいるよ」ということを先に教えるのが有効である。鈴とかラジオとか話し声とか歌で、熊は先に「あ、人間がいる」と認識し、関わりたくなければ避けて通る。
もちろん効果は完全ではない。人間を怖がらない個体もいるだろう。熊が夢中で食事していて気付かないこともあるだろう。しかし有効なのは山を知る者の間では検証どころか常識である。
》噛めば最低血液の味はしますよ?つまり獲物と同じ味です。
ほほ〜この人、牛や豚や鶏と同じように犬や猫も噛んでみて、食肉だと認識するわけだ(^_^;
》間違いないのは山に無闇に入らない事です。
こんなこと書けちゃう人は、ちゃんと山に入った経験がないと思う。
もし経験があれば、こんなこと口に出す前に自分の脳みそが「(苦笑)山ってどこからだよ?」「山が職場の人は出勤するなってことか?」と即座に突っ込むはずだからだ。
犬の散歩で、宅地化した裏山に入れないのか?
林業とか、山菜取りとか、山を職場にしている人も多数いるんである。
だいたいこの人自身が「人との境界線が無くなってますから、市街地でも遭遇するわけで、出会ってからじゃ遅い」とも書いているので、要するにこの人、家から出られないわけだ。引きこもりだね。
「熊がいること知ってて山に入る奴は自業自得」とか思っているかも知れないが、普通の人だって自動車が走っていること知ってて街に出て行くじゃないか。危険はどこにでもあるんである。
》私は山に入るときは最低限、銃は所持して行きますから、刃物とか
》通用しないですね。1度熊に叩かれてみたら良いですよ、熊相手に
》マタギでもないのに近接戦闘とか、馬鹿馬鹿しい。
銃刀法違反(゚〇゚;アッチョンブリケ
まぁこの人デマカセ言っているだけで、銃なんか触ったこともないと思うけどね。
ところでこのつぶやきではなく「イイネ!」がたくさんついて2位になっているつぶやきに「自衛隊不要論を掲げる共産党員を連れていけば話し合いで熊を説得してくれるはず」とあるが、ここでいう「共産党」が日本共産党のことであるならば、自衛隊不要論は掲げていない。またクマ相手でも出会い頭に顔を会わせてしまいお互い硬直している時には、穏やかに「すみませんびっくりさせるつもりはなかったのですが」等と話しかけることでどうにかなった事例もある。
もちろん野生動物相手に最初から「話が通じる」を前提に話はできないが、他に手段がなく止むを得ずそういう状況に追い込まれた時には、何もしないより話し合いをしてみるべきである。
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