« 登山道具の記事、そしてアフィリエイトについて | トップページ | 熊鈴に関するあるmixiつぶやきに反論する »

2016年7月26日 (火)

登山における心構え

・最悪の事態に備える

 登山に行くのなら「最悪の状況を想定し、それに対応できる範囲で行動する」「分からなかったら分かる場所まで戻る」が鉄則。それがどれだけ大変でも。これに逆らえばもっと大変になるだけだし、その先には死が待っているのだ。

・撤退する勇気、動かない勇気

 これはよく言われることで、過去の事例を見ていると「頂上まで後ほんの少しだから」「明日会社に出勤しなきゃならんから」というような思いから行動して遭難につながっている事例は多い。どういう場所か考えれば安全第一で行動すべきだ。

・山の中では弱い「人間」という種族の一員

 集団においては、全員を無事に帰す義務が集団の全員にある。
 それだけでなく、居合わせた全ての人間が無事に帰れるよう考えて欲しい。

・我慢しない

 例えば「暑い」という場合重ね着の調整をしなければならないが、集団で歩いていると皆を止めなければならず気が引ける。しかしそこで我慢すると汗びっしょりになって体力を消耗し、休憩時に冷えて体調を崩し、、、最終的に皆が困る。
 同様に「トイレに行きたい」「頭が痛い」「足を傷めた」「機材が壊れた」等何か問題が起きた場合、問題が小さいうちにリーダーやサブリーダーに伝えて把握してもらう。問題が小さければ対処できるが、大きくなってからでは対処が困難、もしくは不能になることもある。
 もちろんリーダーは「困っているが言い出せない」のも察知して対策すべきなのだが、本人の側でもちゃんと伝えるべきだ。

 問題が起きてリーダーに伝える場合、他の初心者メンバーには察知されないよう努力するとか、そういう姿勢が必要だ。

・我慢する

 もちろん長時間歩いただけ普通に疲れた場合なんかは言っても無駄。歩かねば到着しない。無駄な文句は言わない。ブーブー後ろ向きの発言を口に出す人がいると、皆の士気が下がり集団が疲弊する。

 他にも例えばすでに遭難した状況で「寒い」「腹減った」「喉乾いた」「あそこでこうしてれば」等リーダーがすでに把握して、どうにもできないであろう辛い話を愚痴っても無駄である。

・リーダー判断には従う

 集団は集団である以上原則まとまって行動する。
 歩く順の一例を挙げれば、、、リーダーが先頭。体力のない初心者をそのすぐ後ろにつける。サブリーダーを置けるなら最後尾。リーダー、サブリーダー、中堅③④⑤、初心者⑥⑦の7人グループだとしたら、歩く順番は例えば⑥⑦③④⑤
 この順番にも理由があるので、遠慮のつもりか知らないが勝手に「私は遅いので後ろの方で良いです」などと言い出されるとリーダーの状況把握を妨害することになる。

 自分の属している集団で、ある一人の体調不良とか、天候不良などによりリーダーが「全員撤退」と判断した時には快く受け入れること。自分の体力が有り余っていて頂上がそこに見えており「後10分で往復できるじゃん!」という状況であってもである。それに不平を感じる人は次から単独で行くべし。

 まぁ状況によってリーダー判断、場合によっては自然に、集団が一時分割することはあるけどね。例えば、、、
 「天候も体調も問題ない。山頂はもう見えていて、伝令を出せば連絡が取れる距離。体力が余っている者が先行して頂上でのんびりし、体力のない人がゆっくり行く」とかなら何の問題も起こらない。
 富士山の下山中初心者が「岩の道を歩けない」と言い出し、通常の下山道を先行する集団から離れてサブリーダーが連れてブルドーザー道で降りたことがあった。富士山のブルドーザー道は迷いようがなく下界に降りられるのでそういう判断になったわけだ。

・主体的に考える

 誰かと行く時にも「連れて行ってもらう」なんて意識はとんでもない。最終的な意識としては、単独行動だと思っていなければならない。あなた以外の誰もあなたの生命身体に責任は取れないから。一見冷たいようだが、実はそれが一緒に行く人を助けることにも繋がる。主体的思考に基づき持った意見は(判断は、ではないことに注意)遠慮なくリーダーに上げる。
 「ツアーとかでガイドさんに連れて行ってもらう場合でもダメなの?」、、、ガイドさんが「ちゃんとした人」なら大丈夫なのかもね。でもガイドさんが「ちゃんとした人か」どうか確認する手間で、自分の登山が大丈夫なのかどうか確認する方がずっと楽だと思うけど。だからガイドさんって個人的にはあまり利用価値が分からないんだけどね。思いつくのは「山でどう考えて行動すべきなのか、初心者が基本的な教育を受ける」「剣岳や西穂奥穂間や黒部廊下みたいな、特殊な技量が必要な場所で一緒に行ってもらう」「現地に詳しい人に解説してもらう」くらいかなぁ。

 「このリーダーに従っていると一緒に遭難する危険がある」と考えた場合、最後の手段として集団を割る選択肢もあると思う。ただし「共同機材をどうするか」など難しい問題が起きる場合もあるし「登山開始前にそんなリーダーと集団を組まない旨を判断する」が最善手なのは言うまでもない。
 集団を離れる際には、誰が新集団に入っているのか旧集団のリーダーに伝える。というのはリーダーは「全員がちゃんと来ている」把握をし続けねばならず、自分が率いる集団に誰と誰がいて全員で何人なのかは必要情報だからである。下山したら自分たちが下山したことを警察に報告する。もし集団の一部が遭難した際に、誰が要救援で何人なのかが把握できないと救援準備がスムーズでなくなる。

・まとめ

 上に挙げた項目はいくつか矛盾しているように見えるものがある。いや「見える」にとどまらず実際に矛盾しているものもあるだろう。そりゃ困難に際して一般的絶対的な対処の方法はないからねぇ。

 ただ最終的には「相互扶助と自己責任」、これに尽きる。この2つは矛盾しない。行くのは自分の責任だ。しかし行って苦難に陥った以上、そこで同じ集団でなくても居合わせた人間が可能な限り相互扶助するのも当然だ。相互扶助を期待して自己責任を放棄する話ではない、山に行く以上初心者であっても人間の一員として人を助ける義務があると思いなさい、という話。

 「集団で行くと制約ばっかり増えて損じゃない?」、、、そうだよ。だから登山に必要以上集まっていくのはお勧めしない。もちろん「花に詳しい人」「地理に詳しい人」「体力がある人」とか色々能力が違うわけで、ヒーロー戦隊みたいに力を出し合って楽しく安全な山行につながれば理想的なんだけど、なかなかそうは行かない。まぁ気心の知れた少人数なら以心伝心で何でもあり、という集団もあるかも知れないが、そんなのは△11が助言している相手には無縁だろう。

関連記事:
登山における用具全般、2016年05月版

編集

|

« 登山道具の記事、そしてアフィリエイトについて | トップページ | 熊鈴に関するあるmixiつぶやきに反論する »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/118328/63967815

この記事へのトラックバック一覧です: 登山における心構え:

« 登山道具の記事、そしてアフィリエイトについて | トップページ | 熊鈴に関するあるmixiつぶやきに反論する »