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2016年8月26日 (金)

登山における生活時間

 最近ヤマプラを使っている。便利で良いサイトだと思うが、計画を立てる際に違和感があるのは出発時刻のデフォルトが8時になっていることだ。

 あり得ない。

 夏山での生活時間は、下界生活の3時間前倒ししたと思って貰えばだいたい間違いない。
 朝起きるのが3時でも珍しくなく、その場合ゴソゴソしだしても誰も文句は言わない。歩く距離が長ければ前倒しするしかないからだ。その場合もちろんまだ寝ている人も多いわけで、できるだけ静かにするのは当然だが、、、それは下界生活でまだ皆が寝ている6時に出かける準備をする時と同じ。
 朝食、山小屋では大抵5時に出される。テント場でもだいたいそのくらいに食べていると思う。
 出発は5時30分でも「今日は歩く距離が短いからね」という人を除いて「遅刻ギリギリ」という感じ。6時になれば連泊者を除いてスッカラカン。

 目的地到着は15時までを目標とする。結果として遅くなっても16時。
 山の中で道を間違えると1時間くらいはすぐに経過してしまう。日没が19時としてその時間まで歩く予定で組んでしまうと、目的地にたどり着けず山の中で暗くなってしまう。暗くなればほとんど行動不能、準備良い人でも野営、悪けりゃ遭難だ。夏山は午後になると天気が崩れることが多く、雨になれば道が滑る、視界が狭いので標識等見落とす、暗くなるのが早くなる、と相乗的に危険性が高まる。小屋泊の場合には先方の食事の準備もある。
 下山時に最後の林道歩きとか、分かりやすい一本道である旨明らかだという場合にはもう少し遅くまで行動する前提で予定を組む場合もあるが、あくまで例外である。

 すなわち夏山登山での「勤務時間」は6時から15時、うち1時間が休憩とすれば「実働」8時間。

 夕食は山小屋の場合普通17時だと思う。

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2016年8月 3日 (水)

登山における電源、2016年08月版

 登山では、いろいろなものが普段の生活より入手しにくい。
 そういう状況で、どうしても継続して入手しなければならないものがある。まず水であり、食料。そしてここまで電気機器が発達してくると、やはり登山中電源も確保したい。

 結論から言えばこれはほとんど「単3ニッケル水素電池に統一する」一択である。

・機器間で統一する。

 山で使う電気機器の中には絶対に稼働してもらわないと生命に関わるものもある。その場合に使用電池を統一してあれば各種電気機器の中にある電池が全て「予備電池」として機能するのだ。例えばヘッドライトを点灯し長時間歩かねばならない時には、デジカメの電池を抜いてヘッドライトに入れることによってヘッドライトの点灯時間は格段に伸びる。

 普段から使う電気機器も可能な限り単3に統一し、使い切った電池から充電器に掛け、ストックから使い、充電が終わった電池をストックに入れる、という生活を送っていれば「使いたい時に電池が充電されていないくて使えないことがある」「災害対策に置いてある電池の容量確認が面倒臭い」という悩みからも解放される。今後購入する電気機器を含めて全ての単3使用機器に使用してなお予備が出るよう、最初に電池を買う時には多め、それもかなり多めに買っておくことをお勧めする。
 △11はマウスもキーボードもICレコーダーも単3使用機種にした。

 携帯電話などどうしても統一できないものは、単3で充電できる充電器を一緒に持ち歩く。

・入手しやすい

 どこでも売っている電池を使う必要がある。現在日本で一番入手しやすいのは単3だろう。もし忘れたとか等の時にも、コンビニ等で買ってしのげる可能性が高い。

 単4もかなり普及してきて使用機器の小型軽量は魅力だが、電池容量が小さいのが大きな欠点。世の中が単3を中心に回っているため効率の悪い部分も出てしまう。

・現地で充電できる

 入手しやすいと言っても限度はある。使い捨ては気持ち悪いし、数を買って持ち歩くのも大変だ。一番良いのは現地で充電できることだろう。それがそのまま災害対策にもなる。当初の投資額は長期的に見ればそんなに高価でもない。

・低温に強い

 低温の状況下では化学反応の速度が落ちるため、電池の種類によってはすぐ「容量が空」になって使えなくなってしまう(化学反応が遅くなり電力が出ないだけで実際に容量が空になっているわけではないので、温めれば使える)が、ニッケル水素電池はその特性として低温にも比較的強い。

 以上の観点から選んだのが以下の製品。

 単3ニッケル水素電池、個人的にはパナソニックのエネループスタンダードモデルをお勧めする。最低容量1900mAh。充電可能約2100回。760円/4本、1492円/8本。

 エネループが入っているパックは携帯に便利。現在8本入りパックが2個手元にあるが、4本入りパックも欲しいので、少しばかり高価になっても次は4本で追加しようかと思うほどだ。「充電済は+が上、消費済は+が下」で入れておけば充電済電池がどれだけありどれなのかすぐ分かる。
 自然放電も少なく、メーカーでは満充電後20℃保管1年後の容量90%を保証している。

 最初に買う時には充電器とのセットを1つ入れておく。

 競合すると考えられる製品についてまとめる。名称、最低容量、充電可能回数、価格。価格は8本で統一した。

 

Amazonベーシック

充電式エボルタ

エネループ
経済   お手軽、1000mAh、
4000回、¥1280(4本×2)
ライト、950mAh、5000回、
¥1396(2本×4)
標準 無銘、1900mAh、
1000回、¥1340
スタンダード、1950mAh、
1800回、¥1727
無銘、1900mAh、
2100回、¥1500
容量 高容量、2400mAh、
500回、¥2196(4本×2)
ハイエンド、2550mAh、
300回、¥4960(4本×2)
プロ、2500mAh、500回、¥2101

 Amazonベーシックのニッケル水素電池は少し安価になるが充電可能回数で見劣りする。
 充電式エボルタは最低容量でわずかに優位だが、充電可能回数で不利の上に価格がぐっと高価。
 どこの製品にせよ高容量モデルは「万難を排してでもとにかく容量が必要だ!」という人でなければ無駄。

 太陽光充電器でお勧めするのはゴールゼロのガイド10プラスリチャージングキット。ソーラーパネル「ノマド7」とバッテリーパック「ガイド10プラス」がセットになっている。ゴールゼロは色々出していて単3/単4充電に対応しているのはガイド10プラスバッテリーパックこれ1機種だけだから注意が必要だ。

 ループがたくさん付いていて、天気の良い日ならアクセサリーカラビナでバックパックにくくりつければ歩きながら充電可能。後ろにファスナー付きのメッシュポケットが付いていて、充電コードや予備電池を入れておくのに便利。ガイド10プラスバッテリーパックにはUSB出力端子があるのでそれぞれ充電用コードを併用すればスマートフォンなどを充電可能。USBミニB入力端子があるのでガイド10プラスバッテリーパックの電池を外部から充電も可能。
 電池を4本揃えないと充電できない点にも要注意。
 単4も充電できるが、単3を充電できるところにスリーブを入れるためスペース効率の観点で見るともったいない感じがする。

関連記事:
登山における用具全般、2016年05月版

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2016年8月 1日 (月)

登山におけるトレッキングポール、2016年08月版

 最近は山の中で会う人会う人皆持っている。しかし一昔前まで誰も使っていなかったわけであり、最初から揃えなくても問題ないものだ。ただ逆に言うと一昔前まで誰も使っていなかったものがこれだけ普及しただけの理由もある。

 少し大きな下り段差がある場合、ポールがなければ座り込むか後ろ向きになって降りなければならず時間と労力がかかるが、先にポールを下段に刺せれば手に体重をかけて足を降ろせる。
 緩やかに下っている道を歩く場合、ポールがなければ加速して危ないので脚の力を使ってブレーキを掛け続けてゆっくり行かねばならないが、ポールがあればそのブレーキ力を当てにして脚のブレーキ力を温存しながらある程度速いペースを保って迅速に行ける。

 長さは「上腕を真下、肘を90度、前腕を水平にしてグリップを持ち、ちょうど先端が地面につく長さを基本の長さにし、下りに差し掛かったらその傾斜に従い5cmとか10cmとか少し伸ばす。「登りは少し短めに」という意見が多いが、個人的には登りで「身体を押し上げる」「バランスを取る」くらいにしか使わないので、突くのは真横あたりになり、平面と同じ長さで良いと思う。

 選ぶ際に重視せねばならない観点はいくつもある。

・安全性

 一番重要だ。険しい山道で「おっとっと」となって支えようとポールに体重をかけたら折れたor短縮したでは危なくってしょうがない。トップメーカーでなくても良いが、自分が信頼できる程度のメーカーにはしておきたい。「安物だったから折れるかも」という気持ちが自分の中に欠片でもあるなら、持たない方がマシである。

 登山業界では「カーボン樹脂製はアルミニウム合金製との比較で軽量だが折れやすい傾向がある」とされているが、これは嘘だと思う。原料となるカーボンシートには繊維方向があって、互い違いに重ねて接着すべき、ってのが常識なのだが、そこで間違えて繊維方向が同じ向きにシートを重ねると強度が出ないのだ。すなわち「カーボン製でアルミニウム合金製より折れやすい」のが本当だとしたら、それはそのメーカーの単なる製造ミスである。
 自転車業界でも、自動車業界でも、航空機業界でも、スキー業界でも「カーボン樹脂製はアルミニウム合金製との比較で少し高価にはなるが軽量で強度も高い、ただし折損する際には曲折ではなく割れるように折れる」が常識だ。「強度でアルミニウム合金製に劣る」などと言及したら嗤われるのではなかろうか。
 個人的にはスキーのポールで通常の太さのアルミニウム合金製を長年使っていたが、衝突された時など毎度折れるのでバカバカしくなり、デモンストレーター用の細いカーボン製ポールを買ったらその時から全く折れなくなった。

・軽量

 ポールに極端な軽量性は必要ないが、しかし軽量性を一言でも口に出すのならポールからだ。なぜなら一日中振り子運動を繰り返させるものであり、重量差が一番効いてくるからだ。

 カーボン樹脂製とアルミニウム合金製を比較すればカーボン樹脂製の方が軽い傾向にある。

・伸縮方法

 岩場で邪魔になる際には縮めて、場合によっては収納して行動する。岩場は続くとは限らないので、結構毎度出して伸ばしたり縮めて収納していたりすると、そのわずかな差が積み重なって伸縮の時間が問題になってくる。
 グリップ部分が長くなっていて、どこを握るかによって瞬間的に実質の長さを変更できる機種もある。

 ネジ式。時間がかかるが確実だ。

 レバー式。迅速に調整できるが、調整具合によってはレバーを締めた状態にしても体重をかけると固定されていない状況がありうる。ちゃんと「レバーを締めたら固定されている」よう調整しておく必要がある。今はダイヤルなどで調整できる機種が増えて工具を要する機種は少なくなったと思うが、工具を要する機種は避けて通り、すでに買ってしまった人は注意して工具を携行する必要がある。

 伸縮箇所が複数ある場合は、強度を少しでも保つよう太い場所から伸ばす。
 5cm伸ばすのに2箇所を2.5cmずつ伸ばさねばならないようになっているなどという機種もあるが、調整の時間や手間から言っても論外。

・形状

 これはあまり問題ない。I字型を2本、T字型を1本、のどちらか。I字型を2本が普通。T字型で対応するのは里山歩きなど軽い状況のみである。

・アンチショック機構

 バネが仕込まれていて、大きな重量が掛かった時にホンの少し縮んで手首への負担を逃す。「ピョコピョコ跳ね回って怖い」と思うほど伸縮しないので、できるだけアンチショック機構を装備する機種を選ぶ。

・個別機種紹介

 ヘリノックスLB−130SAはちょっと高価だが、伸縮機構がキモで、2段伸縮なのにレバーは1箇所だけなので迅速に伸縮できる。

 460g/2本とまぁまぁ軽量。アンチショック機構あり。グリップが長く、握る場所により瞬間的に実質短くも使える。2本の価格である。

 モンベルでオススメなのはアルパインカーボンポールアンチショック。調整範囲は105cm〜130cm。95cm〜120cmと少し短くグリップが細いアルパインカーボンポールアンチショックSもあるので、小柄な人はそちら。


 モンベルは1本から売っており、1本破損した状況等を考えると嬉しい対応である。価格も1本の価格なので要注意。伸縮ネジ式でオーソドックス。ノーマルは紺と白から選べ、402g/2本。Sは赤と白から選べ、378g/2本。

 モンベルでちょっと言及しておきたいのはU.L.フォールディングポール。120cmが青、115cmが緑、110cmが赤。

 115cmモデルで344g/2本と軽量だ。長さ調整はできないが、グリップが長く握る場所により事実上瞬間的に長さ変更できる。アンチショック機構はないが、しなるので事実上軽いアンチショック機構になっている。ただし荷物が重い時にしなりが大きくなるのはちょっと怖い感じがある。バスケットを変更できないので積雪期には対応できない

・その他

 誰もが使うようになって「登山道が穴だらけになって雨水が浸透し崩れやすくなる」「湿地帯の木道が穴だらけになって雨水が浸透し腐りやすくなる」「先ゴムが湿地帯に大量に出てくる」など自然、安全、美観など各方面で問題になり始めている。注意したい。

 出発時に先ゴムを外すのを忘れ。泥濘地を通過した後で先ゴムがないのに気がつく、というパターンが多いので、シナノのPP−20が使えるなら最初にこれに交換しておく。

 △11のヘリノックスLB−130SAには問題なく使えた。

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