ベテルギウスの超新星爆発近し、はデマ
本当に生きている間に銀河系内での超新星爆発を見られるなら天文ファン冥利に尽きるし、30年以上前から楽しみにはしているし、明日起こっても別に不思議ではないのだが、この記事書いていることおかしいね。
地球を間もなく2つの太陽が照らす: The Voice of Russia
》間もなく千年に一度の天体ショーを目撃するチャンスが訪れる。ハ
》ワイのマウナケア天文台の内部情報によれば、赤い巨星ベテルギウ
》スがここ16年間球形を保てなくなっている。極と極とは急速に圧縮
》され、赤道は遠心力のためかろうじて維持されている。数週間ある
》いは数ヶ月以内に超新星爆発が起こる明白な兆候である。
》地球からは次のように見える。夜空の一角が突如輝きを増す。その
》明るさは最低でも満月と同等、もしかしたら太陽と同程度になる。
》その状態が6週間続く。つまり一ヶ月半の間、地球の一部区画に「白
》夜」が訪れるということだ。残りの区画でも「昼」が数時間延長す
》る。
》やや誇張した。爆発から2、3週間後、光は衰えはじめる。
》地球人が最後にかような天体ショーを目撃したのは1054年のこと。
まず、「マウナケア天文台」なんてないやろ。マウナケアの条件が良いのでいくつも天文台が集まっているだけ。マウナケアにあるどこの天文台の話か分からない上に「内部情報」なんて検証しようがない。検証して欲しくないからそうしたのかも知れないが、、、
「数週間あるいは数ヶ月以内に超新星爆発が起こる明白な兆候」が「球形を保てなくなっている」ことであるならば、その状態になってから「ここ16年間」経過しているのは矛盾だ。そうでないならば「数週間あるいは数ヶ月以内に超新星爆発が起こる明白な兆候」の内容は何も書いてない。
残念ながらデマだねぇ、、、
1054年ってのはその残骸が「かに星雲」として知られている超新星爆発で、距離は7200光年。最大光度は金星程度、2年間光っていて、うち23日間以上昼でも見えたという。ちなみに金星は明るさがかなり変わるけどー4等星とかそんな感じ。
ベテルギウスは距離600光年とずっと近く、超新星爆発時に予想されている明るさはー11等と、人類の記録にある超新星爆発の中で一番明るくなる可能性が高い。しかしそれでも半月より少し明るくなる程度。
「最低でも満月と同等、もしかしたら太陽と同程度」ってあぁたー26.7等星とも言われる太陽と同程度に明るくなるわけないじゃんよ(T_T)4949
満月がー12.7等、太陽がー26.7等として明るさの差は約40万倍でっせ。「やや誇張した」で逃げてるつもりなのかねぇ。マッタク嘆かわしい。
この分だと、爆発したのが結果として10万年後でも「数週間あるいは数ヶ月以内」って表現も「やや誇張した」だけなんだろうね(3ヶ月×40万=10万年)。
いやしくも科学記事の形式を取ったのなら、欠片でも誇張するなや。
「千年に一度の天体ショー」「地球人が最後にかような天体ショーを目撃したのは1054年」も嘘。肉眼で見えた超新星爆発の記録は185年、393年、1006年、1054年、1181年、1572年、1604年、1987年の計8件がある。
2000年間に8回とすれば「250年に一度の天体ショー」でしょ。
1987年のは銀河系内ではなくお隣の大マゼラン星雲でだったので、最大2.9等と他との比較ではショボかったのだが、、、
言うまでもなく、肉眼では見えなかったが望遠鏡では見えたものを含めれば、人類により観測された超新星爆発は結構な数になる。
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