2009年9月11日 (金)

趣味人生の手じまいに向けて

 最近いくつかの事柄から、趣味人生の手じまいについて考えさせられている。

 利用者様の家に行った時のことだ。そのお宅はかなり裕福で、普通に暮らして行く分には大きい問題はない。「あなたの仕事には関係ないだろうけど」という枕詞付きで話してくれたこの家の問題は、趣味の設備や物品の維持・管理であった。例えば、趣味用の別棟が土台から腐っていて改修となると相当な費用と手間が掛かりそうなのである。ご主人は趣味をする時間はあるが脳梗塞が頻発するようになり体力面でも気力面でも無理が利かなくなって、先日も庭の水まきをしていて調子を崩ししばらく入院するハメに陥ったという。「若い頃はあまり先のことを考えないで趣味を拡張して来たけれど、今になると負担になるばかりやねぇ」と仰る。

 これを聞いていて連想したのは、いくつかの私設天文台の辿ったであろう行く末だった。1980年代後半にはハレー彗星に伴う天文ブームで、私設天文台が皆の憧れだったから、別荘を兼ねて建設したという記事が雑誌面を賑わしていた。しかし建てた人が年を取ると、使う人も修理する人もいないから荒れるばかりだったろう。売ろうにも若い人の間では趣味をやっている人は少ないし、やっていても欲しがる機材のトレンドが違う。人生の資産の大きな部分を投入して建設したのであろうが、後は処分費用がかかるばかりである。これはヨットや別荘の趣味でも全く同じことが言える。
 カメラやコンピューターなど前述の趣味と比較すれば設備が小さく済む趣味と言えども事情は同じであり、使いもしない機材が邪魔になる時期は来る。

 無論まだ具体的に手じまいを始める時期ではないと思う。しかしいつ手じまいをどのように始めて進行させて行くか、少なくとも今後大きく拡張する際には慎重にということは考え始める必要があるだろう、とは思う。

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2009年7月 6日 (月)

メルクリン Cトラックの問題点

 先に書いておくと、メルクリンのデジタルシステム+Cトラックは、現時点で△11が個人的に魅力を感じている唯一無二の鉄道模型システムである。これがなかったら鉄道模型の趣味を始めていなかったかも知れないし、またもし始めていても今ほど満足していなかっただろう。

 そんなCトラックを諸手を挙げて礼賛するか、というと、気になる点がないわけではない。

 最初にその問題に気がついたのは24978だ。ランタンが内蔵されたバンパー付き車止めである。走行会で見てとてつもなく欲しくなり注文したのだが、現物が来てかなりがっかりした。

 Cトラックというのは、これまで外に出ていたごちゃごちゃしたものを内蔵して外観上すっきりしていること、簡単に組めて簡単に分解できることが売りである。
 例えばポイントはデコーダーとポイントマシンを内蔵できる。その電力はもちろん操作信号もレールから送られる。組み込み前と外観は全く変わらず、レイアウトを組む時の手間も全く増えない。

 それが24978ときたら、隣のトラックの端子にコードを接続しなければならない。こんなのはレールから直結で給電するのが当然ではないか。
 このコードはトラックの下敷きにすれば見えなくなるので、一度組んでしまえば外観は問題なくなる。だからこそ走行会で見て欲しくなったわけだが、毎度分解するお座敷レイアウトでは面倒だ。毎度分解接続を繰り返すうちコードや端子も傷む。

 色々買い足して行くと、同じようにコードでの接続が必要となるパーツがいくつかあることがわかった。カプラーを解除できるレール24997、ダブルスリップポイント24624もそうだ。悪いことに商品写真ではコードを写さないので、通販で購入すると事前に分からない。

 しかし、それはCトラックがCトラックになりきれていない箇所と言えるかも知れない。今後の改良に期待である。

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2009年6月17日 (水)

メルクリン、機関車の牽引能力

 以前に購入してあった追加客車3輛用に購入した照明装置が届いてこれを装備し、ラインゴルト編成が6輛編成になった。6輛ともTEEカラーなので違和感はないが、正確に言うと何を以て「ラインゴルト」と言うのかは知らないので、この書き方は間違っているかも知れない。ともかく6輛編成になって困ったのは「牽引する機関車が限定される」ということである。6輛全てに照明装置の集電シューがあってこれが抵抗になっているのだと思うが、重いのだ。

 手持ちの機関車の中で一番牽引力がないのは言うまでもなく超小型のメルクリン ドイツ連邦鉄道E69機関車♯37477(△11の鉄道省)である。これでラインゴルト6輛を引かせると車輪が空転して全く動かない。しかしこれでも貨物車を引いている分には相当長い編成でも大丈夫そうで、少なくともウチにある貨物車を掻き集めて長い編成を作った場合、全く問題なく牽引する。

 信頼していたメルクリン ドイツ鉄道公社E91.9機関車♯37196(△11の鉄道省)メルクリン スイス国鉄Ce6/8III機関車「クロコディル」♯39562(△11の鉄道省)もラインゴルト6輛を引かせた場合には万全ではなかった。中速以上では何の問題もないが、低速ではポイントで車輪が空転し止まってしまう。普通のポイントと比較し、三叉ポイントやクロスポイントは空転しやすいようだ。
 どちらにせよこれらはいかにも貨物用の外観であり、華やかな国際特急列車を牽引するのは似合わない。

 今のところメルクリン ドイツ国鉄BR230機関車#39300(△11の鉄道省)が一番牽引力があるようで、ラインゴルト6輛を引かせてもほぼ問題ない。止まってしまうことはないが、ポイントで一瞬空転することはある。

 いや、メルクリン ペンシルバニア鉄道GG−1機関車♯29490内(△11の鉄道省)を忘れていた。牽引能力から言えばこれが一番かも知れない。しかし個人的には全く似合わないと思うので牽引させてみたことはない。

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2008年8月28日 (木)

メルクリン Cトラックの組み方その4 - 満足のための補足

 さてメルクリン Cトラックの組み方その3に書いた設備を揃えると非常にストレスなく複数編成を走らせられるようになる。というより、個人的には、これを満たさないレイアウトでは非常にストレスが掛かって疲れる。

 以上の話はストレスを感じずに楽しむための最低限の話であり、実際には「部屋の広さをぎりぎり有効に使いたい」「効率良く組むためにこういうパーツが欲しい」という欲求があるわけで、ほとんど際限なくパーツは欲しい。
 際限なく欲しいのは直線パーツ「24077」「24172」「24188」、直線ポイント「24611」「24612」、曲線パーツ「24224」、レールエンド「24978」といったところだろう。これらは部屋を埋め尽くすレイアウトを色々組み替えてみても余るだけ必要だ。

 厳密に言えば、少しばかり足りないパーツがあった時も他のパーツで代替できる場合もある。例えばオーバル円周頂上の「24077」が足りない時は「24224」2個でずらせばレイアウト自体はできる。ただしこの場合「24172」と「24188」で反対側も延長する必要があるし、直線方向に360mmの距離を占有されてしまう。しかも「24224」「24172」「24188」はどれも際限なく欲しい、汎用性の高いパーツだ。結局多めに「24077」を持っていた方が素直で効率が良いし、出来上がりも綺麗だ。
 それに、行き詰まる度に頭を捻らなければならないのでは、レイアウト完成までに疲れてしまう。パズルとして楽しい場合もあるが、考えに考えて出来なさそうだと分かって来たりすると嫌になる。
 だから、適当にレイアウトを組んでみて代替を考えなくても組めてしまうだけの種類と量のパーツを長期的には持つことになると思う。

 できれば三叉ポイント「24630」クロスポイント「24624」がいくつかずつあると狭い部屋のスペースを有効に使える。
 また細かい長さ調整に直線パーツ「24064」「24094」、細かい角度調整に「24107」「24206」辺りがいくつかずつあるとありがたい。

 しかし限度があるパーツもあって、例えばオーバルで常識的に組んでいる以上曲線パーツ「24130」「24230」「24330」は各々12個以上は要らない。リバース線をR2で組むとしても一カ所当たり「24230」が4個増えるのみである。
 曲線ポイント「24671」「24672」は2個ずつくらいあれば充分だと思う。
 フィダーの「24088」も1個あれば充分、レイアウトを組んだ状態のまま列車の設定書き換え等するためにもう一つ単独で置いておくとしても2個で充分だろう。

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2008年7月30日 (水)

メルクリン Cトラックの組み方その3 - 完成

 小さなレイアウトに1本の列車を走らせるだけならメルクリン Cトラックの組み方その1で説明したようにいきなり具体的に組み始めても良い。しかしレイアウトが大規模になり走らせる列車本数が増えて来ると、実際に組む前に「手持ち列車をゆったり走らせるのにどれだけの設備が必要か」ということを考えなければならない。△11の考えでは以下の設備が必要である。

・複線
 何も考えていなくても2本の列車が追い抜いたり擦れ違ったりするのをぼおっと眺めていられるようにしたい。列車入換作業中も常時1本は走っているようにもなる。
・リバース線
 折角メルクリンを選んだのならレイアウトには是非リバース線を入れたい。何も考えずにリバース線やループ線を作ってもショートしないのがメルクリン式の大きな利点の一つである。
・待避線と引込線を合わせて「レイアウト上の列車の本数−2+1」
 走っていない列車はレイアウト上のどこかで待機させることとなる。無論本線上で停止させておくわけには行かない。普段は列車が走らないリバース線上も退避場所として使えないことはないが、リバース線を使う時には複雑な入換作業が必要になり非常に面倒だ。そういうわけで純粋に列車が待機できる待避線、引込線を列車の数に合わせて揃えなければならない。複線を用意した場合本線上を2本走っているから「レイアウト上の列車の本数」から2を引く。入換作業は出してから入れるより入れてから出せるようになっていればとても楽になるので、楽になるよう1を足す。可能なら引込線より待避線が良い。

 そういう大規模なレイアウトを組む時には直線ポイントの数がポイントとなる(^_^;
 向きがあるのと高価なので不足しがちなのだ。必要な直線ポイントをまとめると、
・待避線   1セット
・切換線   同型2個
・リバース線 同型2個
 これに基づいて事前に用意しておかねばならない。

 これまでにも何度か触れて来たが、レイアウトを組む時には端から順番に1パーツずつ組んで行くのではなく、両端を揃えて部分部分を組んでそれを組み合わせて完成させる方が良い。
 そうでないと端部に長さの差が出来、Cトラックの出来が良いだけに境目は見えず、どれだけの長さのトラックを継ぎ足せば端が揃うのかを調べるために分解する羽目に陥るからだ。

Dsc_2888 最後に電源。

 レイアウトのどこかに「24088」を入れ、これにセントラルステーションからのコードを接続することによりレールに電源供給がなされる。
 「24088」の長さは「24188」と全く同じである。 

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2008年7月21日 (月)

メルクリン Cトラックの組み方その2 - リバース線

 リバース線はR2で作る。本当はコンパクトにR1で作りたいところであるが、R1の直線ポイントがないので仕方がない。

 スターターセットに付属するオーバルの両端半円はR1で作られているので、オーバルの直線部分の間隔は360×2=720mmである。リバース線は一番内側の周回の直線部分に組むことになるので、このスターターセットのトラックを活かしければ前準備としてR1オーバルの両側半円部頂点にそれぞれ「24077」を2つずつ4つ挿入して間延びさせオーバルの直線部分の間隔を(360+77.5)×2=437.5×2=875mmとR2相当にしておく。
Dsc_2893 左写真は左から「24230」、「24230」、「24206」、「24611」。
 「24611」の曲線部分と「24206」を合わせると「24230」相当なので、これでR2の90度分になっている。すなわち反対側に全く同じものを向かい合わせで置けばリバース線が出来る。
 「24611」の直線方向にはそれぞれ「24188」、「24172」×2、「24077」×2を接続すれば上下端が揃い、そのままオーバルに組み込める。この時オーバルが延長される距離は(188.3+171.7+77.5)×2=437.5×2=875でR2の直径と同じだ。

 余談になるが、リバース線を組んだらリバース線両端から最外周周回まで出来るだけ早く出られるように組んだ方が良い。正面衝突しないよう気を使う時間が短くなる。

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2008年7月 3日 (木)

メルクリン Cトラックの組み方その1 - 基本の解説

 メルクリンのHOゲージを新品で買うと、レールは普通Cトラックになる。△11が購入したのも当然のようにCトラックだった。他の鉄道模型は全くやったことがないし、メルクリンもCトラックしか触ったことはないので、このCトラックが他と比べてどういうものだかは全然分からない。しかし悩みながら拡張計画を立てて行く中で少しずつ規則性に気づきその合理性に感心したので、気づいたことを自分宛のメモのように残しておきたいと思う。
 △11が分かった範囲のみなので基本的な組み方だけになるが、逆に面倒臭いことは書けないのでこれから始めたいという人には参考になろうかと思う。

 Cトラックでレイアウトを考える場合、まず重要なのは360mmと77.5mmという2つの距離だ。
 360mmはメルクリンHOゲージの最小回転半径であり、別名R1という。半径360mmの曲線トラックで一周を作ればそれが最小の周回レイアウトというわけだ。メルクリンの全ての車輛はこれを脱線せずに回れるように設計されている。
 77.5mmはトラックとトラックの間隔。2番目に小さい半径の曲線トラック、別名R2は360+77.5=437.5から半径437.5mm、全く同様に3番目に小さい半径の曲線トラック、別名R3は437.5+77.5=515から半径515mmとなっている。

 その曲線トラックは半径と角度で型番が決められている。
Dsc_2794Dsc_2798  R1の30度だったらレールの「24」、R1の「1」、30度の「30」で「24130」。30×12=360なので、前述した「最小の周回レイアウト」はこれが12個あれば出来るわけだ。左写真は「24130」を12個並べたもの、右写真はそれを組んだ最小の周回レイアウト。これを2分割して間を直線トラックで延長すればオーバルになる。
 ところでCトラックは出来が良く、組んでしまうと各パーツの境界が非常に分かりにくくなるので、以下ちゃんと組まず並べるだけで説明する。
 同様にR1の15度は「24115」、R1の7.5度は「24107」。
 R2の30度は「24230」、R2の15度は「24215」、R2の7.5度は「24207」。
 R3の30度は「24330」、R3の15度は「24315」、R3の7.5度は「24307」。
Dsc_2809  特殊な角度を持つものとしては、R2の24.3度「24224」、それと組み合わせて30度になるR2の5.7度「24206」がある。
 後述ポイントとの絡みで非常に重要な事柄になるが、「24224」を横直線に投影した長さは180mmであり、この間縦方向に77.5/2mmずれている。すなわち「24224」2本を向かい合わせに組むと左写真上のように縦に77.5mmずれる360mmのレールになる。左写真下比較のために置いてある直線トラックは「24188」+「24172」。

 その直線トラックは長さで型番が決められている。
 長さ64.3mmの直線トラックはレールの「24」、mm単位表示によるおおまかな長さ「064」で「24064」だ。
 同様に長さ70.8mmは「24071」、長さ77.5mmは「24077」、長さ94.2mmは「24094」、長さ171.7mmは「24172」、長さ188.3mmは「24188」、長さ229.3mmは「24229」、長さ236.1mmは「24236」。
 77.5mm以外一見中途半端に見えるが、色々計算してみると188.3+171.7=360、188.3/2≒94.2、171.7ー77.5=94.2、236.1ー171.7≒64.3等いくつも規則性を発見できる。

 直線ポイントは左に別れる「24611」と右に別れる「24612」がある。以下「24611」について主に解説するが、この2つは左右対称なので「24612」についても考え方は全く同じである。

Dsc_2808  左写真で左上が「24611」、左下が「24188」、右上が「24224」。右下2つが「24172」である。
 これで見て分かる通り「24611」の直線部分は「24188」と同じであり、つまりどこかから「24188」を外せばその場所に「24611」を組め、引込線が作れる。
Dsc_2807 また「24611」の曲線部分は「24224」と同じである。前述した通り「24224」は向かい合わせに組むと77.5mm横に移動する360mmのレールになるため、左上写真のように直線方向「24172」、曲線方向「24224」をそれぞれ繋げば直線方向188.3+171.7=360、曲線方向180+180=360で本線と引込線の右端が揃い、本線と引込線の間隔は77.5mmとなる。向かい合わせに「24612」を使って逆向きに同様に組めば右写真のように待避線となる。
Dsc_2805 Dsc_2804  「24224」でなく左写真のように向かい合わせに「24611」+「24172」を入れれば切替線となるし、さらにこの時「24611」と「24611」の間に「24188」を挟み、両側の本線をそれぞれ「24172」で延長すれば右写真のようにレールの間隔が155(=77.5×2)mmとなる。すなわち「24188」を24.3度傾けて横直線に投影した長さは171.7mm、縦直線に投影した長さは77.5mmということで、これも直線レールの長さに隠れた規則性である。

Dsc_2889  引込線または待避線を増やしたい時は「24611」と「24224」の間に「24612」を挿入すれば左写真のようになる。
 既に書いた範囲で理解できるはずのことではあるが、使われている直線レールは「24172」、曲線レールは「24224」である。右端は長さが揃っていないようにも見えるが、これはレール同士をちゃんと接続すればきっちり揃う。

 曲線ポイントは左に別れる「24671」と右に別れる「24672」がある。以下「24671」について主に解説するが、この2つは左右対称なので「24672」についても考え方は全く同じである。
 「24671」の直線部分(もっともこのパーツの場合こっちも曲がってはいるが、、、)は「24130」+「24077」と同じであり、曲線部分は「24130」と同じである。
Dsc_2808  このため、「24130」6個で作った半円の、頂点から「24130」を1個「24671」に置き換え、曲線部分を「24130」2個で延長すると左写真になる。この時左内側と右側のレールは半径360mmの半円を描いており、左側2本のレールの間隔は77.5mmである。

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2007年9月11日 (火)

ゲージ論

 鉄道模型を始めようと思い色々調べて改めて考えさせられるのは、ゲージ=線路幅のことである。

 鉄道模型の話をする前に、実物の鉄道の話をしなければならない。
 言うまでもないが、鉄道は線路幅が決まっていて、線路を敷設する時も、車両を作る時も、これに従って作られる。世界の標準的な線路幅は4ft8.5in≒1435ミリである。これを標準軌という。

 日本に鉄道が敷かれる際に採用された線路幅は3ft6in≒1067ミリである。なぜ標準軌でないこの規格が採用されたのか諸説はあるが、今となっては真相 は薮の中のようだ。一時標準軌に改軌しようという運動もあったが実現しなかったので、今でもJR各社の在来線の車両は1067ミリ幅の線路の上を走ってい る。
 新幹線は高速で走るため標準軌が採用されたが、無論それゆえに在来線との共用は不可能である。後には秋田新幹線で在来線と共用する区間があり、その区間では在来 線を標準軌に改軌したそうだ。
 とにかく例外を除いて欧米の標準軌の車両を持って来ても日本のJR在来線の線路には載らないし、日本のJR在来線の車両を持って行っても欧米の標準軌の 線路には載らないわけである。

 鉄道模型が作られ始めた頃、一番小さいのがOスケール/ゲージ(以降縮尺=スケール、線路幅=ゲージ)であった。元々はもっと大きい1番ゲージ、2番ゲージより小さいという意味の0番ゲージの数字の0がOに転化したわけである。Oスケールは1/45、Oゲージは32ミリ(1435/45≒31.88)である。
 後にもっと小さい鉄道模型としてHOスケール/ゲージが出来た。Oスケール/ゲージのハーフ版という意味でハーフO=HOである。HOスケールは1/87、HOゲージは16.5ミリ(1435/87≒16.49)である。

 日本で鉄道模型を作る時、実物と全く同じ問題が持ち上がった。同じ縮尺で作れば実物同様欧米の標準軌の車両を持って来ても日本の線路には載らないし、日本の狭軌の車両を持って行っても欧米の線路には載らなくなってしまう(1067/87≒12.26)。
 そこで日本の鉄道模型ファンの大多数は、ゲージをそのままに縮尺を変えるという手段を選んだ。具体的にはHOゲージの16.5ミリ幅の線路に載るように、少し大きめの1/80で車両を作ってしまうのである。1067/80≒13.34でまだ小さいが、そこはガニマタの車両で誤摩化した。現在一般に流通しているのはこの規格である。
  ガニマタを許せない人たちは13ミリ幅の線路を作る羽目に陥りつつ全部1/80で作ることにした。この手法は広く販売されている(スケールは1/80、ゲージは16.5ミリの)車両から足回り以外のパーツを流用できるのが強みであるが、1/80はそもそもHOゲージの線路にごまかしごまかし載せるために設定された、国際的には特殊な縮尺である。
 後には全部1/87で車両を作る人たちも出てきた。12ミリ幅のレールを含めパーツはすべてそれ用に作る羽目に陥るが、国際的に広く認められているHOスケールを重視すればこれが一番「正しい」態度であろう。しかし「ゲージはともかくスケールを重視することにどれだけの意味があるのか」という批判もあるし、実際には少し大きさがオカシイのを我慢しつつ1/80の車両からパーツを流用したりしているようである(^_^;

 この「ゲージ論」、結構宗教論争に近いものがあるらしい。「ゲンブツ」でないのが原因であるのも宗教論争と同じだ。正しさを追求するなら聖書のことはキリストなりエホバに聞かねばなるまい。鉄道模型は1/1、すなわち模型でなく本物の鉄道を走らせるしかないだろう。
 それが出来ない以上どこかを誤摩化しているわけであるから、自分なりに適当な妥協点を見つけるしかないのではあるまいか。無論、人のやっていることに異議を申し立てるなど言語道断である。だから、自分なりに結論を出すしかないし、自分なりの結論で良いわけである。

 ん、△11はどう考えているのかって?
 △11にとって鉄道模型はお伽噺のようなもので現実とは関係ない。だから少しばかり縮尺がおかしいなんて些細な話である。それより汽笛が鳴ったり、蒸気機関車が煙を吐いたり、狭い部屋でも旋回できたり、接触不良にならずに走り続けることの方がずっと重要、だからメルクリンを選んだ。

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2007年5月21日 (月)

時計収集と鉄道模型

 △11が最初に時計を買ったのはブライトリング クロノカリスト(△11の時計)で、2番目がホイヤー/アバクロンビー&フィッチ シーファラー(△11の時計)だった。その頃はクロノグラフが好きだったのである。
 どうでも良いことだが個人的にはクロノグラフは手巻きに限る。自動巻は錘がキャリバーを覆い隠してしまうし、時代的に新しすぎることが多い。クロノグラフも自動巻もスペースを食う機構だったので「自動巻のクロノグラフ」はなかなか実現せず、やっと実現した時世間はクォーツショックに巻き込まれて質感の高い製品は作れなかった。

 次はポケットウォッチだった。
 ポケットウォッチはリストウォッチより良い物が安く買える。この理由は、人に見せるために時計を買っている人も多いからだろう。ポケットウォッチは素晴らしいものを身につけていてもあまり人に見られる機会がない。無論リストウォッチを買う人の全てがそうだとは思わないが、見栄を張るために買う人にとってはポケットウォッチだというただそれだけで「つまらない時計」になってしまうわけだ。

 シンプルなリストウォッチが入手できたのはポケットウォッチより後だった気がする。何でもシンプルであればある程アラがあれば目立つため難しい。よって本当に良いものは高価につく。オメガ コンステレーション☆(△11の時計)が安価な割には良かったと思う。

 レディースウォッチには最初から興味があった。今でも時計に興味を持つ女性は少ないが、1980年代はそれに輪をかけて少なかったのだろう、相場と言えるものが成立せず多数のレディースウォッチが宝石と地金に分解されて売られたという。今ではわざわざそうやって潰す程安価ではなくなったが、しかし値札の金額だけは大きくなったものの実際に売れているのかはよく分からない。とにかく今でも不人気なのであるが、しかし良質な個体を安価に入手しようと考えた時にはこれ以上の分野はない。一生懸命探せば¥10kで結構良いものが買えるし¥35kで「おぉっ」というものが買える。¥10kクラスの例としてはオメガ デ・ビルレディース(△11の時計)ゾディアック K14PGルビー付きレディース(△11の時計)ユリス・ナルダン K14WGレディース(△11の時計)、¥35kクラスの例としてはモバード デイデイトレディース(△11の時計)インターナショナル レディース(△11の時計)が挙げられる。
 「レディースは自分の腕に付けられない」というコレクターは多いと思う。△11もそう思う。しかし△11の場合、そして△11よりたくさんお持ちと思われる多くのコレクターの場合にも同様に言えるハズだが、すでにメンズのリストウォッチもポケットウォッチも複数持っているので、次に購入する時計が自分の腕に付けられるかどうかはさほど大きい問題とは思えない。いやレディースウォッチを購入して彼女の腕に付けされせれば持ち歩ける時計は増える、と考えることもできなくはない。

 クロックには興味がない。場所を取るし、煩そうだし、それに、何と言うか、△11は小さい中に歯車やバネが密集している感じが好きなのだと思う。

 そう、時計の美しさは鉄道模型の美しさなのだと思う。鉄道模型は、もちろん本物が手に入らないから模型、という側面もあると思うのだが、精密で小さい車両が走り回るのが良さなのではなかろうか、△11は鉄道模型の趣味を持っていないが横から眺めている分にはそう思う。
 言うならば、ポケットウォッチはHOゲージ、リストウォッチはNゲージ、レディースウォッチはZゲージ感覚である。

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