2017年3月11日 (土)

登山における小型軽量ヘッドライト、2017年03月版

 モンベルの新型が出たので登山における小型軽量ヘッドライト、2016年03月版を改訂する。

 登山には、必ず照明機器を持参せねばならない。
 人間は昼行性の動物であり、夜は眼が見えない。深夜でも何も持たず歩ける繁華街に慣れているから危機感をなくしてしまっているが、本来夜は暗闇であり、人間は一歩も歩けない。

 宿泊する時には常にすぐ出せる場所に携帯すべき。薄暗くなりつつある中をトイレに行った場合、帰り照明機器なしでは歩けないこともある。山小屋の居間でゆっくりしていたら消灯し自分の寝床どころか部屋も分からなくなることもある。
 日帰りの予定でも持つべきだ。足を傷めた時、緊急露営するよりコースタイム2時間のところ林道を足を引きずり5時間かかってでも人里に降りた方が安全かも知れない。その途中で日が暮れるとしたら照明機器なしでは無理。緊急露営にしても照明機器なしではどれだけ不安で不便だろう。
 実は登山でなくても必ず1人1個を常に携帯すべきだと思っている。20時に繁華街で大地震に遭ったとして、瓦礫の山と化し普段と全く違う惨状の道路を地獄の業火を避けながら照明機器なしで帰宅できるか。普段は2時でも15時とほとんど同じ感覚で歩け、電車で30分で帰れる場所だから何も考えずに歩いているが、そこが大災害時にどういう場所になるか考える想像力が欠片でもあれば、照明機器なしではいられないはずだと思う。

 △11は入手が容易である点から電気機器の電源を単3に統一すべきだと考えている。また予備電池を含めた重量軽減の観点から電池の本数は少なければ少ないほど良い。すなわち小型軽量機種なら単3×1が絶対条件である。無論普段運用するのは単3アルカリ電池ではなく単3ニッケル水素充電池。ちなみにモンベルのカタログでは製品重量が電池抜/込の両方が掲載されていて、その差は23g/本。
 手回し充電などは必要ない。内蔵電池の寿命とともにゴミになる。
 雨天下でも安心して使うためには、信頼できるメーカー製品で、防滴機能を持っている必要がある。一般にIPX4などと書いてあるのがその表示で、IPのすぐ後の数字が防塵性能、その次の数字が防水性能。Xは評価されていない表示で、IPX4なら防塵評価なし、防水等級が4。防水等級が4なら防塵は評価がなくても問題ない。防水等級について、一般登山には「あらゆる方向からの飛沫」に耐える4が必要充分。すなわちIPX4ならおっけい。ちなみにそれ以上の防水性能は5が「あらゆる方向からのノズルによる噴流水」、6が「あらゆる方向からのノズルによる強力な噴流水」、7が「圧力および時間で外郭を一時的に水中に沈め」ても耐える。8が潜水に耐える等級で具体的な内容を併記する。沢屋さんなど水をカブったり、場合によっては水中に浸かってしまうような人には安心材料かも知れない。

 登山の場合、両手を明けておきたいこと、落下させる可能性を減らしたいこと、荷物を減らしたいことから、照明機器を1つ選ぶならまずヘッドライトだ。ランタンは歩く時に使えず、懐中電灯は片手を占有される上に落とす可能性がある。これらは災害時にも同じことが言える。
 前後に首振りできるのは当然として、その回転軸が重心に近い方が良い。回転軸より重心が高い位置にあると、お辞儀をしてしまう可能性がある。新品をいじってお辞儀しなくても、使ってヤレて来た時に露呈する欠点なので始末が悪い。
 テントや山小屋で暗くて目が慣れている中で自分の目を眩ませないため、また周囲に迷惑をかけないため、点灯した時に暗いモードから始まらなければならない。また明るいモードは気にしないとしても、暗いモードは宿泊場所で多用するので雰囲気を壊さない電球色が良い。暗いモードでの稼働時間が長くなくてはならない。

 以上の観点でモンベルのコンパクトヘッドランプが一押し。

 第三世代の品番1124657の一番の改良点は、電池ボックス蓋が紛失防止ストラップ付きになったこと。山の中で小さいものを落とした場合、発見できるとも、拾いに行けるとも限らないのだ。
 また第二世代で小さいとは言え唯一難点だった暗いモードでの稼働時間が、第一世代を凌駕する80時間に延伸された。さらに2200円+税に値下げ。最大光量45ルーメン照射距離36m稼働時間27時間、15ルーメン22m73時間、5ルーメン5m80時間の3段階調整。46g電池抜。IPX6


 第二世代から点灯が2度押しで誤操作の危険が低いのも継続。

 タジマ
 「臍曲がり承知でどうしてもモンベルを使いたくない」という人にお勧めする。巻尺とかノギスで有名なメーカー、工事現場で手元を照らす観点からの開発だ。信頼性は言うまでもないだろう。
 ウェブサイトで実測特性などをかなり詳しく掲載している
のは好感が持てる。電池が減っても明るさが変わらないようにされており、電池が切れる前に3回点滅して暗くなることで警告してくれる。
 登山で使うなら暖かい電球色にして欲しいところだが、白々しい白色光なのは開発動機から考えるに仕方ない。
 作業用に平均的な配光になっているようだが、例えば「沢を渡った後に登山道の続きになっている森の切れ目を見つける」とか結構大変なので、暗い登山道を探すとなるとスポット的な配光の方が有利かも知れない。
 型番は規則性がある。最初のアルファベットが種類。次の数字2桁が最大光量。最後の一桁が電池で単3が1、単4が2。例えばM071なら最大光量70ルーメン、単3ということになる。

 単3×1の機種はペタ!M071。3943円税込。IPX6耐落下2m

 モンベルと比較するとわずかに高価にはなるが、最大光量70ルーメンは魅力で、この時の稼働時間は約4.5時間。照射距離は30mと短く、照射範囲の広さが伺える。他に30ルーメン約7時間、5ルーメン30時間の3モードで、再点灯時は最後に消灯したモードで点灯する。電池抜23g、極めて軽量だ。
 マルチライトとある通りどこぞにクリップしたりマグネットで鉄に貼り付けたり写真三脚に取り付けたりできる

 白々しい色が嫌いな人には、M071用アクセサリーキットLE-ZL2に赤いディフューザーが入っているが、暖色というより赤色になってしまうかも。また脱落しやすいというインプレを散見するので使用には要注意だ。

 白いディフューザーと、カメラのアクセサリーシューに載せるアダプターもセット。

 ヘッドバンドは通常の布ゴム?製が付属し、消耗したら別売りもある。ヘッドバンドLE-ZB3。1459円。

 この手の小物はもし「送料がついて馬鹿らしい」と思われる場合近所の建築資材屋さんとか工具屋さんで入手できるかも。

 これ以降はあまりオススメしない機種。「△11は何を以ってダメと判断したのか」読みたい人が読めるように書いただけなので、面倒だったら読まなくて良い。

 マイルストーン
 最近モンベルショップ以外の大手登山屋さんは揃って置いている。電源が単3×1の機種はMS−A1とMS−A2がある。多趣味をやって来た個人的な感想を言うと、技術情報のほとんどない、雰囲気写真ばかりのカタログは非常に印象が悪い。要するにこういうメーカーは「こういうものを作りたい!」という気持ち=製品コンセプト=書くことがないのだ。
 山の中で小さいものを落とした場合、発見できるとも、拾いに行けるとも限らないので、電池ボックス蓋が紛失防止ストラップ付きなのは良い。
 電球色
なのも嬉しい。
 
が、、、それ以外の点を、これまでに紹介した製品と比較しながら見ていくと、かなり欠点が目立つ。
 暗くする調光は長押し。一番暗くなった時点で1回点滅して今度は明るくなって行き、一番明るくなった時点で1回点滅して暗くなって行く。離した時点の明るさで点灯を続ける。
 最大の問題は点灯させた時に最大光量で点灯してしまうことだと思う。
 それなのに結構高価

 MS−A1は¥3456税込。最大20ルーメン照射距離30mで無段階調整。稼働時間は最大光量で約4時間、10%光量で約55時間。電池抜27g。IPX5。

 モンベルとのスペック比較では軽量だということになるが、個人的印象では、本当に満たしてほしい要件を諦めてまでここまで軽量な製品を選択する必要は感じない。

 MS−A2は¥4104税込。最大70ルーメン照射距離50mで無段階調整。稼働時間は最大光量で約3時間、10%光量で約10時間。電池抜27g。IPX5。

 最大光量が明るいのは良いが、稼働時間が短すぎるという欠点が上乗せされる。要するに「何でもできる」を目指すと「何もできない」結果を生む好例で、単3×1の製品に光量を要求したらこうなってしまうのだ。

 富士灯器はマイルストーンを作っているメーカーらしく、電池ボックス蓋が紛失防止ストラップ付きの外観もマイルストーンと共通。

 ZEXUS ZX−250。最大90ルーメンで無段階調整。稼働時間は最大光量で約3時間、10%光量で約30時間。電池抜27g。
 調光方法もマイルストーンと似ており点灯させた時に最大光量で点灯してしまう欠点持ち。暗くする調光は長押し、一番暗くなった時点で1回点滅して明るくなって行き、一番明るくなった時点で1回点滅して暗くなって行く。離した時点の明るさで点灯を続ける。点灯or調光後5秒以内の1回押しでさらに暗い電球色へ切り替え、そちらでも調光できる。

 誤点灯防止機構を働かせるのに消灯時に4秒長押しで設定が必要なのは良くない。荷物に詰め込む機会が多い登山用には、何の操作もせず誤点灯防止する製品が向いていると思う。
 防滴じゃないのは致命的に近い欠点。降雨に晒す可能性のある登山では安心して使えない。
 それなのに特別安価でもない

 ジェントス
 一般に「安価なヘッドライト」というお題でたいてい名前が挙がっているが、何とまぁ、あれだけ多数の機種を出しているのに、「一応名前を出せる」水準ですら、1機種しか見つからなかった。単4を気にせず使う上に電池3本が大好きなメーカーなので、ほとんどの機種が△11基準では足切りに遭ってしまう。メーカーの姿勢が△11と合わないのだろうな。

 GD−002D。1102円税込。単3×1。最大光量50ルーメンで8時間、エコモードで18ルーメン16時間。電池込55gなので、電池が23gとすれば電池抜32g。IP54、耐落下1m。

 安価だけど、それだけ。点灯させた時に最大光量で点灯してしまう欠点持ち。
 暗いモードが明るすぎ、持続時間が短い
 頭頂を通るバンドがあるのも欠点で、これがあると要らない時にも首掛けに変更がしにくいのだ。あれは「ヘッドライトの光源が電球で、だから電池が単3×4とか必要で、ヘッドライトが重くならざるを得なかった時代に、横のバンドだけではずり落ちてしまうがために必要になる装備」なのである。光源がLEDで単3×1の小型軽量機種に装備しているのは「何も考えずに漫然と作っているのではないか」と思えてしまう。

 フェニックス

 HL23。4550円。単3×1。150ルーメン1時間20分、50ルーメン5時間40分、3ルーメン100時間。電池抜約52g。防水性能IP68水深2mで30分、耐落下1.5m。

 光量変化の差が大きく大光量と長時間使用を両立しているのは好感が持てる。ただ個人的には登山における大出力ヘッドライト、2016年03月版に書いた通り、タジマ以外の「大光量」は額面通りに信じていない。だから「小型軽量ヘッドライトでありかつ大出力ヘッドライト」と言えなくもないこのモデルもこちらの記事で評価している。ANSI/NEMA FL1-2009には準拠しているので、最大光量モードで1時間20分後に15ルーメン保つ保証はされている。
 防水、耐落下性能も優秀
 側面押しボタン0.5秒の長押しで点灯させた時に最大光量で点灯してしまうのは問題だ。その後押すとモードが変わる。長押しで消灯。
 色は白色光だと思う。はっきり登山/キャンプ用でない機種で電球色を期待するのは無理だろう。
 高スペックで利点が多くなかなか頑張っている感はあるが、登山用で見ると残念な点もあるし、さすがに高価だな(^_^;

 マムート

 S-Flex。2592円。単3×1。電池抜22g、電池込48g。すでに製造中止のようだ。

 ブランド志向以外、特に積極的に選ぶ理由もない。

関連記事:
初心者の登山における用具全般、2016年05月版
登山における照明全般、2016年04月版
登山における大光量ハンドライト、2016年04月版
登山における小型軽量ハンドライト、2016年04月版
登山におけるランタン、2016年03月版
登山における大光量ヘッドライト、2016年03月版

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2016年8月26日 (金)

登山における生活時間

 最近ヤマプラを使っている。便利で良いサイトだと思うが、計画を立てる際に違和感があるのは出発時刻のデフォルトが8時になっていることだ。

 あり得ない。

 夏山での生活時間は、下界生活の3時間前倒ししたと思って貰えばだいたい間違いない。
 朝起きるのが3時でも珍しくなく、その場合ゴソゴソしだしても誰も文句は言わない。歩く距離が長ければ前倒しするしかないからだ。その場合もちろんまだ寝ている人も多いわけで、できるだけ静かにするのは当然だが、、、それは下界生活でまだ皆が寝ている6時に出かける準備をする時と同じ。
 朝食、山小屋では大抵5時に出される。テント場でもだいたいそのくらいに食べていると思う。
 出発は5時30分でも「今日は歩く距離が短いからね」という人を除いて「遅刻ギリギリ」という感じ。6時になれば連泊者を除いてスッカラカン。

 目的地到着は15時までを目標とする。結果として遅くなっても16時。
 山の中で道を間違えると1時間くらいはすぐに経過してしまう。日没が19時としてその時間まで歩く予定で組んでしまうと、目的地にたどり着けず山の中で暗くなってしまう。暗くなればほとんど行動不能、準備良い人でも野営、悪けりゃ遭難だ。夏山は午後になると天気が崩れることが多く、雨になれば道が滑る、視界が狭いので標識等見落とす、暗くなるのが早くなる、と相乗的に危険性が高まる。小屋泊の場合には先方の食事の準備もある。
 下山時に最後の林道歩きとか、分かりやすい一本道である旨明らかだという場合にはもう少し遅くまで行動する前提で予定を組む場合もあるが、あくまで例外である。

 すなわち夏山登山での「勤務時間」は6時から15時、うち1時間が休憩とすれば「実働」8時間。

 夕食は山小屋の場合普通17時だと思う。

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2016年8月 3日 (水)

登山における電源、2016年08月版

 登山では、いろいろなものが普段の生活より入手しにくい。
 そういう状況で、どうしても継続して入手しなければならないものがある。まず水であり、食料。そしてここまで電気機器が発達してくると、やはり登山中電源も確保したい。

 結論から言えばこれはほとんど「単3ニッケル水素電池に統一する」一択である。

・機器間で統一する。

 山で使う電気機器の中には絶対に稼働してもらわないと生命に関わるものもある。その場合に使用電池を統一してあれば各種電気機器の中にある電池が全て「予備電池」として機能するのだ。例えばヘッドライトを点灯し長時間歩かねばならない時には、デジカメの電池を抜いてヘッドライトに入れることによってヘッドライトの点灯時間は格段に伸びる。

 普段から使う電気機器も可能な限り単3に統一し、使い切った電池から充電器に掛け、ストックから使い、充電が終わった電池をストックに入れる、という生活を送っていれば「使いたい時に電池が充電されていないくて使えないことがある」「災害対策に置いてある電池の容量確認が面倒臭い」という悩みからも解放される。今後購入する電気機器を含めて全ての単3使用機器に使用してなお予備が出るよう、最初に電池を買う時には多め、それもかなり多めに買っておくことをお勧めする。
 △11はマウスもキーボードもICレコーダーも単3使用機種にした。

 携帯電話などどうしても統一できないものは、単3で充電できる充電器を一緒に持ち歩く。

・入手しやすい

 どこでも売っている電池を使う必要がある。現在日本で一番入手しやすいのは単3だろう。もし忘れたとか等の時にも、コンビニ等で買ってしのげる可能性が高い。

 単4もかなり普及してきて使用機器の小型軽量は魅力だが、電池容量が小さいのが大きな欠点。世の中が単3を中心に回っているため効率の悪い部分も出てしまう。

・現地で充電できる

 入手しやすいと言っても限度はある。使い捨ては気持ち悪いし、数を買って持ち歩くのも大変だ。一番良いのは現地で充電できることだろう。それがそのまま災害対策にもなる。当初の投資額は長期的に見ればそんなに高価でもない。

・低温に強い

 低温の状況下では化学反応の速度が落ちるため、電池の種類によってはすぐ「容量が空」になって使えなくなってしまう(化学反応が遅くなり電力が出ないだけで実際に容量が空になっているわけではないので、温めれば使える)が、ニッケル水素電池はその特性として低温にも比較的強い。

 以上の観点から選んだのが以下の製品。

 単3ニッケル水素電池、個人的にはパナソニックのエネループスタンダードモデルをお勧めする。最低容量1900mAh。充電可能約2100回。760円/4本、1492円/8本。

 エネループが入っているパックは携帯に便利。現在8本入りパックが2個手元にあるが、4本入りパックも欲しいので、少しばかり高価になっても次は4本で追加しようかと思うほどだ。「充電済は+が上、消費済は+が下」で入れておけば充電済電池がどれだけありどれなのかすぐ分かる。
 自然放電も少なく、メーカーでは満充電後20℃保管1年後の容量90%を保証している。

 最初に買う時には充電器とのセットを1つ入れておく。

 競合すると考えられる製品についてまとめる。名称、最低容量、充電可能回数、価格。価格は8本で統一した。

 

Amazonベーシック

充電式エボルタ

エネループ
経済   お手軽、1000mAh、
4000回、¥1280(4本×2)
ライト、950mAh、5000回、
¥1396(2本×4)
標準 無銘、1900mAh、
1000回、¥1340
スタンダード、1950mAh、
1800回、¥1727
無銘、1900mAh、
2100回、¥1500
容量 高容量、2400mAh、
500回、¥2196(4本×2)
ハイエンド、2550mAh、
300回、¥4960(4本×2)
プロ、2500mAh、500回、¥2101

 Amazonベーシックのニッケル水素電池は少し安価になるが充電可能回数で見劣りする。
 充電式エボルタは最低容量でわずかに優位だが、充電可能回数で不利の上に価格がぐっと高価。
 どこの製品にせよ高容量モデルは「万難を排してでもとにかく容量が必要だ!」という人でなければ無駄。

 太陽光充電器でお勧めするのはゴールゼロのガイド10プラスリチャージングキット。ソーラーパネル「ノマド7」とバッテリーパック「ガイド10プラス」がセットになっている。ゴールゼロは色々出していて単3/単4充電に対応しているのはガイド10プラスバッテリーパックこれ1機種だけだから注意が必要だ。

 ループがたくさん付いていて、天気の良い日ならアクセサリーカラビナでバックパックにくくりつければ歩きながら充電可能。後ろにファスナー付きのメッシュポケットが付いていて、充電コードや予備電池を入れておくのに便利。ガイド10プラスバッテリーパックにはUSB出力端子があるのでそれぞれ充電用コードを併用すればスマートフォンなどを充電可能。USBミニB入力端子があるのでガイド10プラスバッテリーパックの電池を外部から充電も可能。
 電池を4本揃えないと充電できない点にも要注意。
 単4も充電できるが、単3を充電できるところにスリーブを入れるためスペース効率の観点で見るともったいない感じがする。

関連記事:
登山における用具全般、2016年05月版

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2016年8月 1日 (月)

登山におけるトレッキングポール、2016年08月版

 最近は山の中で会う人会う人皆持っている。しかし一昔前まで誰も使っていなかったわけであり、最初から揃えなくても問題ないものだ。ただ逆に言うと一昔前まで誰も使っていなかったものがこれだけ普及しただけの理由もある。

 少し大きな下り段差がある場合、ポールがなければ座り込むか後ろ向きになって降りなければならず時間と労力がかかるが、先にポールを下段に刺せれば手に体重をかけて足を降ろせる。
 緩やかに下っている道を歩く場合、ポールがなければ加速して危ないので脚の力を使ってブレーキを掛け続けてゆっくり行かねばならないが、ポールがあればそのブレーキ力を当てにして脚のブレーキ力を温存しながらある程度速いペースを保って迅速に行ける。

 長さは「上腕を真下、肘を90度、前腕を水平にしてグリップを持ち、ちょうど先端が地面につく長さを基本の長さにし、下りに差し掛かったらその傾斜に従い5cmとか10cmとか少し伸ばす。「登りは少し短めに」という意見が多いが、個人的には登りで「身体を押し上げる」「バランスを取る」くらいにしか使わないので、突くのは真横あたりになり、平面と同じ長さで良いと思う。

 選ぶ際に重視せねばならない観点はいくつもある。

・安全性

 一番重要だ。険しい山道で「おっとっと」となって支えようとポールに体重をかけたら折れたor短縮したでは危なくってしょうがない。トップメーカーでなくても良いが、自分が信頼できる程度のメーカーにはしておきたい。「安物だったから折れるかも」という気持ちが自分の中に欠片でもあるなら、持たない方がマシである。

 登山業界では「カーボン樹脂製はアルミニウム合金製との比較で軽量だが折れやすい傾向がある」とされているが、これは嘘だと思う。原料となるカーボンシートには繊維方向があって、互い違いに重ねて接着すべき、ってのが常識なのだが、そこで間違えて繊維方向が同じ向きにシートを重ねると強度が出ないのだ。すなわち「カーボン製でアルミニウム合金製より折れやすい」のが本当だとしたら、それはそのメーカーの単なる製造ミスである。
 自転車業界でも、自動車業界でも、航空機業界でも、スキー業界でも「カーボン樹脂製はアルミニウム合金製との比較で少し高価にはなるが軽量で強度も高い、ただし折損する際には曲折ではなく割れるように折れる」が常識だ。「強度でアルミニウム合金製に劣る」などと言及したら嗤われるのではなかろうか。
 個人的にはスキーのポールで通常の太さのアルミニウム合金製を長年使っていたが、衝突された時など毎度折れるのでバカバカしくなり、デモンストレーター用の細いカーボン製ポールを買ったらその時から全く折れなくなった。

・軽量

 ポールに極端な軽量性は必要ないが、しかし軽量性を一言でも口に出すのならポールからだ。なぜなら一日中振り子運動を繰り返させるものであり、重量差が一番効いてくるからだ。

 カーボン樹脂製とアルミニウム合金製を比較すればカーボン樹脂製の方が軽い傾向にある。

・伸縮方法

 岩場で邪魔になる際には縮めて、場合によっては収納して行動する。岩場は続くとは限らないので、結構毎度出して伸ばしたり縮めて収納していたりすると、そのわずかな差が積み重なって伸縮の時間が問題になってくる。
 グリップ部分が長くなっていて、どこを握るかによって瞬間的に実質の長さを変更できる機種もある。

 ネジ式。時間がかかるが確実だ。

 レバー式。迅速に調整できるが、調整具合によってはレバーを締めた状態にしても体重をかけると固定されていない状況がありうる。ちゃんと「レバーを締めたら固定されている」よう調整しておく必要がある。今はダイヤルなどで調整できる機種が増えて工具を要する機種は少なくなったと思うが、工具を要する機種は避けて通り、すでに買ってしまった人は注意して工具を携行する必要がある。

 伸縮箇所が複数ある場合は、強度を少しでも保つよう太い場所から伸ばす。
 5cm伸ばすのに2箇所を2.5cmずつ伸ばさねばならないようになっているなどという機種もあるが、調整の時間や手間から言っても論外。

・形状

 これはあまり問題ない。I字型を2本、T字型を1本、のどちらか。I字型を2本が普通。T字型で対応するのは里山歩きなど軽い状況のみである。

・アンチショック機構

 バネが仕込まれていて、大きな重量が掛かった時にホンの少し縮んで手首への負担を逃す。「ピョコピョコ跳ね回って怖い」と思うほど伸縮しないので、できるだけアンチショック機構を装備する機種を選ぶ。

・個別機種紹介

 ヘリノックスLB−130SAはちょっと高価だが、伸縮機構がキモで、2段伸縮なのにレバーは1箇所だけなので迅速に伸縮できる。

 460g/2本とまぁまぁ軽量。アンチショック機構あり。グリップが長く、握る場所により瞬間的に実質短くも使える。2本の価格である。

 モンベルでオススメなのはアルパインカーボンポールアンチショック。調整範囲は105cm〜130cm。95cm〜120cmと少し短くグリップが細いアルパインカーボンポールアンチショックSもあるので、小柄な人はそちら。


 モンベルは1本から売っており、1本破損した状況等を考えると嬉しい対応である。価格も1本の価格なので要注意。伸縮ネジ式でオーソドックス。ノーマルは紺と白から選べ、402g/2本。Sは赤と白から選べ、378g/2本。

 モンベルでちょっと言及しておきたいのはU.L.フォールディングポール。120cmが青、115cmが緑、110cmが赤。

 115cmモデルで344g/2本と軽量だ。長さ調整はできないが、グリップが長く握る場所により事実上瞬間的に長さ変更できる。アンチショック機構はないが、しなるので事実上軽いアンチショック機構になっている。ただし荷物が重い時にしなりが大きくなるのはちょっと怖い感じがある。バスケットを変更できないので積雪期には対応できない

・その他

 誰もが使うようになって「登山道が穴だらけになって雨水が浸透し崩れやすくなる」「湿地帯の木道が穴だらけになって雨水が浸透し腐りやすくなる」「先ゴムが湿地帯に大量に出てくる」など自然、安全、美観など各方面で問題になり始めている。注意したい。

 出発時に先ゴムを外すのを忘れ。泥濘地を通過した後で先ゴムがないのに気がつく、というパターンが多いので、シナノのPP−20が使えるなら最初にこれに交換しておく。

 △11のヘリノックスLB−130SAには問題なく使えた。

関連記事:
登山における用具全般、2016年05月版

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2016年7月29日 (金)

熊鈴に関するあるmixiつぶやきに反論する

mixiニュースクマが自衛隊員襲う=訓練の下見中―福島に関する天 目という人のmixiつぶやき

熊避け鈴が未だに有効だと誤認している人が多過ぎ、自分から居場所を獲物が教えてどうするんだろうね(笑)人を襲うってのは、人を獲物として認識しているんで、音がすれば間違いなく襲う。もっと勉強して欲しいですね

 だって。
 結論から言えば、熊除けに鈴は有効である。

 ちなみにヒグマに対する私たちの考え方と取り組み(知床財団へのリンク)によると、2009年以降ヒグマの目撃件数は斜里町と羅臼町合わせて750件/年を超え、2012年度は2150件に達したという。ものすごい件数だ。
 出没時の対ヒグマ対策としては「① 威嚇、追い払い」「② 出没地点周辺の調査」「③ 駆除」「④ 捕殺個体の調査、採材」となっており、必ずしも即座に駆除する話になるわけでもないのが分かる。駆除の話は「餌付け行為や生ゴミの管理不徹底が原因で、人間の食べ物を口にして人間に付きまとうようになってしまった」という段階に至ってからである。
 食べ物を探しているうちに人間の周囲に食べ物があることを覚え、人間に付きまとうようになってしまう。これを放置すると人間との事故が起きるので、その前に処置する」、ヒグマと日常接する現場の、これが結論。

 人間を食べて味をしめまた人間を襲いに来る話は、多分三毛別羆事件(Wikipediaへのリンク、7名死亡3名重傷)が念頭にあるのだと思うが、これとて最初はトウモロコシを食べに来たのであり、しかも馬が騒いだので熊は撤退している。再度トウモロコシを食べに来たところに人間が気がついて驚き、熊を刺激したために事故につながり、それで人肉を食べて味を覚えてしまった、という順である。
 史上二番目の熊被害、石狩沼田幌新事件(Wikipediaへのリンク、4名死亡3名重傷)は馬の死体に寄ってきたのが発端である。人間を食いに来たのではない。
 史上三番目の熊被害、十和利山熊襲撃事件(Wikipediaへのリンク、4名死亡2名重傷)は原因が書いてないが、タケノコ狩りをしていて襲われている。
 史上四番目の熊被害、札幌丘珠事件(Wikipediaへのリンク、3名死亡2名重傷)は冬眠中の熊を起こしてしまったのが発端である。人間を食いに来たのではない。
 これも有名な熊被害、福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件(Wikipediaへのリンク、3名死亡)は人間の食べ物に寄って来たのを追い払い、クマと荷物の取り合いになったのが発端である。銃殺後熊の胃袋から人肉は出なかった。
 原因が不明の十和利山熊襲撃事件を除き、いずれも、最初から人間を獲物として認識し襲ったのではない。一度人間を食べた熊が「弱くてのろまで捕まえやすく食べ応えがある」獲物として人間を認識するようになってしまった事例はあるが、しかしそういう熊はもちろんのこと人間の死亡という結果をもたらしてしまった熊は人間が寄ってたかって殺してしまうため生き残らない。史上最大級の被害を出した事件を一通り見てもこれなんである。っていうか、熊が人間を見るなり獲物として襲ってくる性質の動物だったら、人間がこれまで放置したわけがない、とうの昔に全数駆除で絶滅させられてるって(^_^;

 ちなみに以上挙げた大事故のうち、十和利山熊襲撃事件を除きヒグマによる事故である。これは「人間との体格差」によると考えられる。ヒグマが180kg、ツキノワグマが60kg、人間が60kgとすれば、ヒグマからみた人間の体重を人間から見た場合20kg、ツキノワグマから見た人間の体重を人間から見た場合60kgになる。人間が20kgの動物と60kgの動物のどちらと喧嘩せねばならんとしたらどちらと喧嘩するか考えてみればすぐ分かるはずである。
 △11から見るに、相手の体格が上の場合は言うまでもなく「体格が下の相手なら勝負できる」とも思わないし、野生動物からしてもそうだと思う。昔家で飼っていた柴犬は多分10kg程度だったと思うが、怒った時は凄まじく恐ろしかった。動体視力が比較にならず、多分彼らが本気で△11を殺そうと思えばすぐにでも殺せたと思う。犬の特性で「自分より上の立場だと思っている者には逆らってはならない」という観念から殺そうと思わなかっただけだ。
 まして、これは救急医療も健康保険もない世界の話である。ある程度以上の大きさの動物を襲って怪我でもしたら、それだけでその後の生存は危うい。一大決心が必要だ。自然界に生きる動物はそんなに無謀ではあり得ないのである。

 熊と人間の事故は、まぁ個別にはいろいろあるが、出合頭で驚いてパニックに陥る、人間が小熊にちょっかいをかけたのを排除しようとする、人間が放置した食べ残しに釣られて接近してしまう、などである。
 出合頭で驚いてパニックに陥るのが原因とすれば、「人間がここにいるよ」ということを先に教えるのが有効である。鈴とかラジオとか話し声とか歌で、熊は先に「あ、人間がいる」と認識し、関わりたくなければ避けて通る。
 もちろん効果は完全ではない。人間を怖がらない個体もいるだろう。熊が夢中で食事していて気付かないこともあるだろう。しかし有効なのは山を知る者の間では検証どころか常識である。

》噛めば最低血液の味はしますよ?つまり獲物と同じ味です。

 ほほ〜この人、牛や豚や鶏と同じように犬や猫も噛んでみて、食肉だと認識するわけだ(^_^; 

》間違いないのは山に無闇に入らない事です。

 こんなこと書けちゃう人は、ちゃんと山に入った経験がないと思う。
 もし経験があれば、こんなこと口に出す前に自分の脳みそが「(苦笑)山ってどこからだよ?」「山が職場の人は出勤するなってことか?」と即座に突っ込むはずだからだ。
 犬の散歩で、宅地化した裏山に入れないのか?
 林業とか、山菜取りとか、山を職場にしている人も多数いるんである。

 だいたいこの人自身が「人との境界線が無くなってますから、市街地でも遭遇するわけで、出会ってからじゃ遅い」とも書いているので、要するにこの人、家から出られないわけだ。引きこもりだね。

 「熊がいること知ってて山に入る奴は自業自得」とか思っているかも知れないが、普通の人だって自動車が走っていること知ってて街に出て行くじゃないか。危険はどこにでもあるんである。

》私は山に入るときは最低限、銃は所持して行きますから、刃物とか
》通用しないですね。1度熊に叩かれてみたら良いですよ、熊相手に
》マタギでもないのに近接戦闘とか、馬鹿馬鹿しい。

 銃刀法違反(゚〇゚;アッチョンブリケ
 まぁこの人デマカセ言っているだけで、銃なんか触ったこともないと思うけどね。

 ところでこのつぶやきではなく「イイネ!」がたくさんついて2位になっているつぶやきに「自衛隊不要論を掲げる共産党員を連れていけば話し合いで熊を説得してくれるはず」とあるが、ここでいう「共産党」が日本共産党のことであるならば、自衛隊不要論は掲げていない。またクマ相手でも出会い頭に顔を会わせてしまいお互い硬直している時には、穏やかに「すみませんびっくりさせるつもりはなかったのですが」等と話しかけることでどうにかなった事例もある。
 もちろん野生動物相手に最初から「話が通じる」を前提に話はできないが、他に手段がなく止むを得ずそういう状況に追い込まれた時には、何もしないより話し合いをしてみるべきである。

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2016年7月26日 (火)

登山における心構え

・最悪の事態に備える

 登山に行くのなら「最悪の状況を想定し、それに対応できる範囲で行動する」「分からなかったら分かる場所まで戻る」が鉄則。それがどれだけ大変でも。これに逆らえばもっと大変になるだけだし、その先には死が待っているのだ。

・撤退する勇気、動かない勇気

 これはよく言われることで、過去の事例を見ていると「頂上まで後ほんの少しだから」「明日会社に出勤しなきゃならんから」というような思いから行動して遭難につながっている事例は多い。どういう場所か考えれば安全第一で行動すべきだ。

・山の中では弱い「人間」という種族の一員

 集団においては、全員を無事に帰す義務が集団の全員にある。
 それだけでなく、居合わせた全ての人間が無事に帰れるよう考えて欲しい。

・我慢しない

 例えば「暑い」という場合重ね着の調整をしなければならないが、集団で歩いていると皆を止めなければならず気が引ける。しかしそこで我慢すると汗びっしょりになって体力を消耗し、休憩時に冷えて体調を崩し、、、最終的に皆が困る。
 同様に「トイレに行きたい」「頭が痛い」「足を傷めた」「機材が壊れた」等何か問題が起きた場合、問題が小さいうちにリーダーやサブリーダーに伝えて把握してもらう。問題が小さければ対処できるが、大きくなってからでは対処が困難、もしくは不能になることもある。
 もちろんリーダーは「困っているが言い出せない」のも察知して対策すべきなのだが、本人の側でもちゃんと伝えるべきだ。

 問題が起きてリーダーに伝える場合、他の初心者メンバーには察知されないよう努力するとか、そういう姿勢が必要だ。

・我慢する

 もちろん長時間歩いただけ普通に疲れた場合なんかは言っても無駄。歩かねば到着しない。無駄な文句は言わない。ブーブー後ろ向きの発言を口に出す人がいると、皆の士気が下がり集団が疲弊する。

 他にも例えばすでに遭難した状況で「寒い」「腹減った」「喉乾いた」「あそこでこうしてれば」等リーダーがすでに把握して、どうにもできないであろう辛い話を愚痴っても無駄である。

・リーダー判断には従う

 集団は集団である以上原則まとまって行動する。
 歩く順の一例を挙げれば、、、リーダーが先頭。体力のない初心者をそのすぐ後ろにつける。サブリーダーを置けるなら最後尾。リーダー、サブリーダー、中堅③④⑤、初心者⑥⑦の7人グループだとしたら、歩く順番は例えば⑥⑦③④⑤
 この順番にも理由があるので、遠慮のつもりか知らないが勝手に「私は遅いので後ろの方で良いです」などと言い出されるとリーダーの状況把握を妨害することになる。

 自分の属している集団で、ある一人の体調不良とか、天候不良などによりリーダーが「全員撤退」と判断した時には快く受け入れること。自分の体力が有り余っていて頂上がそこに見えており「後10分で往復できるじゃん!」という状況であってもである。それに不平を感じる人は次から単独で行くべし。

 まぁ状況によってリーダー判断、場合によっては自然に、集団が一時分割することはあるけどね。例えば、、、
 「天候も体調も問題ない。山頂はもう見えていて、伝令を出せば連絡が取れる距離。体力が余っている者が先行して頂上でのんびりし、体力のない人がゆっくり行く」とかなら何の問題も起こらない。
 富士山の下山中初心者が「岩の道を歩けない」と言い出し、通常の下山道を先行する集団から離れてサブリーダーが連れてブルドーザー道で降りたことがあった。富士山のブルドーザー道は迷いようがなく下界に降りられるのでそういう判断になったわけだ。

・主体的に考える

 誰かと行く時にも「連れて行ってもらう」なんて意識はとんでもない。最終的な意識としては、単独行動だと思っていなければならない。あなた以外の誰もあなたの生命身体に責任は取れないから。一見冷たいようだが、実はそれが一緒に行く人を助けることにも繋がる。主体的思考に基づき持った意見は(判断は、ではないことに注意)遠慮なくリーダーに上げる。
 「ツアーとかでガイドさんに連れて行ってもらう場合でもダメなの?」、、、ガイドさんが「ちゃんとした人」なら大丈夫なのかもね。でもガイドさんが「ちゃんとした人か」どうか確認する手間で、自分の登山が大丈夫なのかどうか確認する方がずっと楽だと思うけど。だからガイドさんって個人的にはあまり利用価値が分からないんだけどね。思いつくのは「山でどう考えて行動すべきなのか、初心者が基本的な教育を受ける」「剣岳や西穂奥穂間や黒部廊下みたいな、特殊な技量が必要な場所で一緒に行ってもらう」「現地に詳しい人に解説してもらう」くらいかなぁ。

 「このリーダーに従っていると一緒に遭難する危険がある」と考えた場合、最後の手段として集団を割る選択肢もあると思う。ただし「共同機材をどうするか」など難しい問題が起きる場合もあるし「登山開始前にそんなリーダーと集団を組まない旨を判断する」が最善手なのは言うまでもない。
 集団を離れる際には、誰が新集団に入っているのか旧集団のリーダーに伝える。というのはリーダーは「全員がちゃんと来ている」把握をし続けねばならず、自分が率いる集団に誰と誰がいて全員で何人なのかは必要情報だからである。下山したら自分たちが下山したことを警察に報告する。もし集団の一部が遭難した際に、誰が要救援で何人なのかが把握できないと救援準備がスムーズでなくなる。

・まとめ

 上に挙げた項目はいくつか矛盾しているように見えるものがある。いや「見える」にとどまらず実際に矛盾しているものもあるだろう。そりゃ困難に際して一般的絶対的な対処の方法はないからねぇ。

 ただ最終的には「相互扶助と自己責任」、これに尽きる。この2つは矛盾しない。行くのは自分の責任だ。しかし行って苦難に陥った以上、そこで同じ集団でなくても居合わせた人間が可能な限り相互扶助するのも当然だ。相互扶助を期待して自己責任を放棄する話ではない、山に行く以上初心者であっても人間の一員として人を助ける義務があると思いなさい、という話。

 「集団で行くと制約ばっかり増えて損じゃない?」、、、そうだよ。だから登山に必要以上集まっていくのはお勧めしない。もちろん「花に詳しい人」「地理に詳しい人」「体力がある人」とか色々能力が違うわけで、ヒーロー戦隊みたいに力を出し合って楽しく安全な山行につながれば理想的なんだけど、なかなかそうは行かない。まぁ気心の知れた少人数なら以心伝心で何でもあり、という集団もあるかも知れないが、そんなのは△11が助言している相手には無縁だろう。

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登山における用具全般、2016年05月版

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2016年7月25日 (月)

登山道具の記事、そしてアフィリエイトについて

 自分で登山道具を揃え始めた頃を思い返すと「初心者が何を揃えれば良いのか」というのは誰も提示してくれなかった気がする。カタログは何でも載せている。店員さんも例えば「靴が欲しい」と言えば靴の相談には乗ってくれるが、「そもそも何を買えば良いのか?」という相談は、、、したら教えてくれたのかも知れないが、聞きにくい。

 周囲の人に初心者が聞きにくい原因を聞いて回ったり、自分なりに感じたことをまとめると、初心者が聞きにくい理由は「店員さんに迷惑だ」と「売りたい物を買わされる」の二種類に分類されると思う。
 「店員さんに迷惑だ」というのは、ウェブ上に「ggrks」という言葉にあるように「何か聞こうと思うならある程度調べてから」という風潮があるので「何を揃えるべきかも考えていない者が聞いたら迷惑じゃないか」という考えである。
 「売りたい物を買わされる」というのは、登山道具屋さんも商売でやっている以上、高価なもの利益率の高いものを売りたいだろう、ということだ。
 どちらもよくわかるし、実際懸念通りの部分もあるかも知れない。

 そんなに詳しくもないが、初心者が当初揃えるべき最低ラインに対応する知識はあると自負する。マニアのように色々な要望に対応するまで細かいことは分からないし、それより「必要な物は持ちたいが、予算は限られているし、続けるかも分からないので、不要な高機能を買わされてはたまらない」という初心者の気持ちの方が分かる。
 それで、「そもそも何をどこまで揃えれば良いの?」に答える記事を書き始めた。

 インターネットの大きな利点の一つは双方向性である。「これは要らないのか?」とか「ここに書いてあるこの話の意味がよく分からない」とかいうことがあったら遠慮なく聞いて欲しい。

 書き始めてから「アフィリエイトを使えばお金が入る」ことに気がついた。△11の記事を読んでそのリンクから買って貰えば、多額ではないが△11にお金が入る。買う側からすれば△11から見て「誰が買ったか」は分からないが「何を買ったか」は分かる。

 △11としては、△11の記事を読んで買うと決めたのなら、△11の記事のリンクを辿って買って欲しいと思う。
 △11自身、山道具屋さんに行って接客を受けて「買う」と決めた場合、そのお店で買う。それはお金の問題だけでなく、仁義とか倫理とかそういう種類の問題だ。もしかしたらこの世のどこかにもう少し安く売っているところがあるのかも知れないが、その程度のことで自分の矜恃を売り渡すのはもったいないではないか。この世の全員に向けて「こういう場所で教えてもらって買いました」と言える、そういう態度でいたい。
 「Amazonの買い物をわざわざ△11のリンクに全部通している人がいるのではないか」と思える、無関係なものが入っていることがある。そういう人は、△11と同じく仁義とか倫理を当たり前に尊重している人なのだろう。

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登山における用具全般、2016年05月版

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2016年7月10日 (日)

登山における食料、2016年07月版

 時間が経過したので登山における食料、2014年10月版を改訂する。

 下界の日常生活では「三度のメシ」という言葉があって朝昼夕であるが、登山では少し違う食べ方をする。
 朝昼夕の通常食の他に、のべつまくなしに少しずつ食べ続ける行動食、日程延伸に対応する予備食、困った時にどうにかするための非常食の4つに分けて考える。分けて考えるが、必ずしも4種類全部を分けて準備するわけではない、ことに注意。

・通常食

 下界の朝昼夕食である。材料を持ち込み自炊する人もいないわけではないが、荷物が多くなって大変だし時間もかかるので、たいていの人は小屋でお金を出して食べるか、レトルトやフリーズドライやインスタントを食べていると思う。
 個人的には「美味しいものを食べたいとは思うが、無理はしない。それをするなら下界に降りてから」というのが方針。
 フリーズドライやインスタントはどこでも入手できるというわけには行かないので、山に入る日の分は下界でパンを買って行けばその分貴重な食品の消費を減らせる。

 最終的には個人の好みで何でも良いのだが、個人的にはインスタント麺がお勧め。利点としては一食あたりの単価が安いこと、管理が簡単なこと、普段食べているのもインスタントなので違和感を感じにくいことがある。
 カレーライスや牛丼なども製品として世の中にあるが「フリーズドライのカレー+アルファ米」「フリーズドライの牛丼の具+アルファ米」とそれぞれ2袋になり手間が増える単価が上がる。普段食べている電気釜炊きの米飯と比較してしまうため米飯は「マズい」と感じやすい
 フリーズドライやインスタントは高価でどこでも入手できるというわけには行かないので、山に入る日の分は下界でパンを買って行けばその分貴重な食品の消費を減らせる。

 インスタント麺の場合、クッカーに長い麺を入れると麺が焦げるとか茹で上がりにムラができるなどがあるので、長い麺は袋を開く前に半分に折っておく。マルタイの棒ラーメンはお湯に入れるとすぐ柔らかくなるのでその必要はない。
 パスタで使ってるのはパスタロッティ。

 建前は1袋2人前、約500円、乾麺と調味料が一緒に入っており分割はできない。登山中は食べる量が多いこともあり、個人的にはたくさん食べたい時の1食扱いでちょうど良い。送料が高いので通販せず類似品を探すと良い。ちなみに登山道具屋さんで売っているのはソルレオーネのシリーズで、1袋1人前、約300円。

 ラーメンで使ってるのはマルタイの棒ラーメン。脂が多いのでカロリーも高い。

 通常の製品でも良いがそんなにめちゃくちゃ高くなるわけではないので、入手できればこの九州ご当地シリーズにしている。インスタントとしては非常に美味しい。中でも熊本黒マー油と鹿児島豚骨が好き。一袋2人前だが乾麺は1人前の束、調味料は1人前の小袋になっているので、分割して1人前×2としても食べられる。リンクは15袋で約3000円なので、1人前約100円の計算になる。
 登山屋さんで売っている「山の棒ラーメン」カレー味も好きだったがしょうゆ味だけになってしまった。

・行動食

 登山は通常の生活よりカロリー消費が多くまた長時間続く。燃料を切らしたまま歩くとバテるし、バテた状態で歩くととてもキツいし、頑張った割に成果が出ない。登山における給水、2016年07月版に書いた給水と同じで、歩きながらこまめに少しずつカロリー補充する。山に行くとおばちゃんたちがお菓子を一杯持って来ていて交換しつつ食べているが、あれは理由があるわけだ。
 日持ちがすること、飽きにくいこと、カロリーが高いこと、食べるのが面倒じゃないこと、ある程度水気があり水なしでも食べやすいこと、小分けされていることが必要。 個人的によく使うのは一口ようかん。ドライフルーツも良いと思う。

 カロリーメイトを使う人もいるようだが、水を飲みながらでないと食べにくいこと、チーズ味で顕著だがどの味でも粉になるのは欠点だ。

・予備食

 土砂降りの雷雨になればテント場や避難小屋で停滞することもある。そこらへんにコンビニがある下界と違って、山の中ではどこでも食べ物が入手できるわけではなく「山小屋で食べるつもりだったけど、売ってもらえなかった」ということもある。そんな時にしのぐための食事である。
 「山小屋で売ってもらえないなんてあるの?」、、、大きい小屋では可能性が低いだろうが、「ない」と言われて「困りました」では困る。自分の手持ち資材だけで下山できるようにしておかねばならない。ちなみに小さい小屋では「しばらく天候が悪くて荷揚げヘリが飛ばなかったから」と食品が売り切れになっていることはままある。

 個人的には行動食と共通だが、停滞の手持ち無沙汰を慰めるために少し作るのに手間のかかるものを用意する人もいるようだ。

・非常食

 暗くなり行動不能になった際に行動可能になる朝まで、もしくは遭難した場合に救助を受けられるまで凌ぐための食事である。非常用品の一環ではあるが登山における非常用品セット、2016年07月版には入れず、行動食と共通に持って登山口までの路程が短くなるに従い消費し減らして行くことが多い。

 もちろん食べ切るのは原則禁忌であり、もし食べ切るとしても「登山口が見えて来た」くらいになった時点でないとアウトである。実際には「登山口が見えて来た」みたいな時点では非常食なんか食べるより下界で普通に外食した方が美味しいものを安価に食べられるので、そんなことはする必要がないと思う。

 個人的には行動食と共通とし、毎度「先入先出」で使っている。

・その他

 ゴミを出さないようにすること、出たら持ち帰ること。
 万が一開封できない場合には食べられないので、ポケットナイフを持っていること。

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登山における用具全般、2016年05月版

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2016年7月 8日 (金)

登山における給水、2016年07月版

 時間が経過したので登山における給水、2014年10月版を改訂する。

 スポーツ全般において給水は重要だ。昔は「飲んだらバテる」等と言われていたが、今は「喉が渇く前に飲め」である。実際水を切らして歩くとバテるし、バテた状態で歩くととてもキツいし、頑張った割に成果が出ない。がぶ飲みすると吸収が間に合わずトイレが多くなることもあり、こまめに少しずつ飲んだ方が安全かつ楽だ。水は体内の化学反応の触媒なので、冬に冷える対策にもなる。「5分おきに口を湿らせる程度」などとも言われるが、そこまで厳密にやらなくても良いとは思う。余談だが、行動食も同じ考え方である。

 持つ量は「5cc×体重(kg)×時間(h)」とも言われるが、実際には気温や湿度、登高のペースによっても全然違うので、目安でしかない。地図を見て行程の途中に水場があって事前のインターネット検索で最近その場所を通った人が水が出ていた旨言及していたとか、小屋泊まりで貰えることが分かっているなら、補給を前提にして持ち込む量を減らすこともある。もちろん迷ったら多めに持つが、あまりに慎重になり莫大な水を持つと重くて歩くペースが遅くなり危険を招く場合もあるので、どうにかなる場所で自分なりの給水量を知っておくこと。

 お茶やジュースを持ち込む人もいるようだが腐敗やカビなどの原因になるし、炊事に使うなど融通も考えればただの水にしておくのが無難だ。少なくとも一部はただの水にしておくべし。

 「水を入れやすい」「洗浄しやすい」必要がある。具体的には広口で、奥まで手が入るのが良い。

 色が選択できる場合は青系をお勧め、理由は燃料ボトルは赤、飲料ボトルは青で!

・ペットボトル

 何か飲んだ後の空ボトルを洗ってラベル剥がして取っておいて、水を詰めて持つ。予算を掛けられないうちはこれで結構。
 欠点としては、キャップを取り落とすことがある。登山の場合、落としたキャップが断崖絶壁の下へ転がり落ちて行ったり、大きな岩の隙間に転がり込んだりする可能性も高いわけで、拾えるとは限らない。取り落とさないように気をつけること、万が一取り落としてもどうにかなる状況にしておくことは必要だ。すなわち、例えばキャップの予備を持つ。さらに全滅のリスクを減らすため2リットルを1本持つよりは1リットルを2本持つ方が良い、その方が梱包に融通も利く。
 1本は0.5リットルとか小容量にしておいた方が良い。例えばザックの横に差しておけば歩きながらこまめに飲める。休憩時間に大きいボトルから補充するのだが、ここでもう一つの欠点が問題になる。口が小さいので細心の注意を以てするか、漏斗を携行する必要があるのだ。
 大きい方のボトルは四角いの方が梱包上で有利だと思う。
 これは使い捨てに近いだろうから、洗浄に関してあまり厳しく考えていない。

・登山用ボトル

 登山用として売っているボトルは、キャップを取り落とさないようにキャップが本体と繋がっている。またパッキンなしで密閉を実現している製品は手が奥まで入るほどではないものの洗浄が楽で確実だ。キャップはナルゲンの広口ボトルが事実上統一規格になっており、アクセサリーが共通に使える。
 ただ積極的にこのシステムを推奨するか、と言われると、高価な割にメリットが少ないと思う。丸型なので梱包効率も良くない

 有名で信頼されているのはナルゲン。容量は各種あるが持つとしたら0.5リットル×1、1リットル×2という感じか。左が0.5リットル、右が1リットル。

 もし使うなら口を小さくして飲みやすくする下のブツ併用をお勧め。装着するのは直接口をつけるボトルだけで充分だろう。ナルゲン0.5リットルにも使えたと思うが未確認。

 モンベル製は少し安価、全モデルキャップ等が事実上ナルゲン互換品で流用できるが、保証されたものでもない。0.5リットル、0.75リットル、1リットル。△11は実際に上記のヒューマンギアを0.75リットルに使っている。

 後述するエディボトルやハイドレーションと違って細い管がないので、洗浄が簡単かつ確実であり、それなりの必然性がある。

 キャメルバッグのエディボトルは飲み口を起こすだけで飲めるし倒すだけでロックできるので手早く飲める。補充時以外キャップを外さないのでキャップを取り落とす可能性も低く、また顔を上げる必要がないので飲みやすい。口が大きいので補充も楽で確実だ。0.6リットルをリンクで挙げる。


 バックパックの中の大容量ボトルはペットボトルで、手元の小容量ボトルはキャメルバッグのエディボトル、というのも一つの妥協点として良いかも。

・折畳式ボトル

 通常のボトルとハイドレーションの中間的存在。口は通常のナルゲン広口規格、本体はソフトな袋。リンクは1.5リットル、3リットル。

 100円ショップなどでも類似品は入手でき、便利に使っている人を見たこともあるが、信頼性は疑問。破れても困らないような状況である旨確認しながら使う必要があるだろう、

・ハイドレーションシステム

 バックパックの中にソフトな袋を背負い、そこから手元までチューブを伸ばして吸えるようにしたシステムだ。いつでも必要なだけ楽に給水可能で、高価掃除が面倒残量が見えないのを除けばこれが理想的。宿泊場所で炊事に水を使う場合等バックパックにセットしてあるハイドレーションシステムから水を出すのは面倒であるし、「吸っても水が出なくなり気がついたら飲み尽くしていた」なんてのも困るので、これ1本で行くのは無理がある。予備の水をペットボトル等で持たねばならない。
 最近は袋を入れる場所が設置してあったり、チューブを通す穴があったり、チェストハーネスにバイトバルブを掛けておくフックを装備したりと、ハイドレーションシステムに対応したバックパックも増えて来た。ただ実際には対応してないバックパックでも、ハイドレーションシステム本体をバックパックの一番上に置けば使える。

 万が一破れた時に困るので実績があるメーカー製であること、本体に手を突っ込んで洗えること、チューブを本体から簡単に外して洗えること、給水時に片手だけで口を開いた本体を持ったまま蛇口を捻れること、丈夫で匂いがつきにくい素材で作られていることから、キャメルバックのアンチドートリザーバーを勧める。ポリウレタン製で素材の性質上経年劣化が気になるが、実際には以前に購入したプラティパス製より長持ちしている。もちろん以前のプラティパスがハイドレーションシステムの初期製品だったハンディはあろうが。
 1.5リットル、2リットル、3リットルがある。大は小を兼ねるので1.5リットルよりは2リットルだが、リスク分散の観点からペットボトル1リットルで別に持つのでさすがに3リットルは不要だろう。というわけでお勧めは2リットル。

 飲み口にはロックが付いている。

 △11が使っているのはキャメルバックのストアウェイで、アンチドートリザーバーの上位機種。本体もチューブも保温材で包まれており、冬山で凍結しにくく、冷たい飲み物がヌルくならない。下界で冷凍する場合、保温材で結露が少なく他の荷物を濡らす可能性が少ない。保温材は一部オプションでも販売されているが、アンチドートリザーバーとストアウェイの差額と比較すると非常に高価につくので、こっちにしておいた方が後悔はないかも知れない。保温材は外せるので登山時に重くなるわけでもない。飲み口はロックがない代わりにカバーがついている。

 「冬山なんか行かないし、常温の水で結構だ」という人も、バイトバルブに関して「飲み口が剥き出しなのは嫌なのでこれが良い」という人も多い。バイトバルブカバーとしてオプションでも売っているが交換は面倒だ。

 キャメルバックにはアンチドートライトリザーバー2.5リットルというモデルもあり、2リットルのアンチドートリザーバーより安価で、メーカーウェブサイトでは「初めてリザーバーを使う方におすすめの入門モデル。シンプルでコストパフォーマンスに優れています」と紹介されているが、絶対に勧めない。クイックリンクを装備しておらず、すなわち洗うためのチューブの脱着が面倒なのである。ただでさえチューブの掃除は面倒なのに、洗いやすくなってないと困る。バックパックにチューブを残してハイドレーションシステム本体だけを持って給水に行くこともできず、この点でも面倒だ。

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登山における用具全般、2016年05月版

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2016年7月 5日 (火)

登山における非常用品セット、2016年07月版

 これは結構深いテーマだ。
 無責任に書くなら簡単で、どこぞから内容を拾って書き写せば済むかも知れない。しかし、世にある非常用品セットを見ていても、真面目に組まれているとは思えないものも多い。そして、もちろん「最後は自己責任で」ということになるとしても、やはり人の生命に関わること、自分で納得できない記事は書きたくない。というわけで他の記事と比較してかなり遅くなった。
 もちろん「軽量に抑えなければならない」という制約もある。固定観念を排除して手持ち資材を見て兼用できるものは兼用する。バックパックに入れて何時間も歩くのが前提なのだ。
 もう一つ困難な理由は、これ使う人によって全然有効性が変わって来るノウハウの塊で、「人の組んだ非常用品セットが参考になるのか?」という疑問がある。原始に近いので、使う人の能力が問われるんだな。使える人にとっては非常に有益なものも使えない人にとってはただのお荷物で、「使えるように努力する」or「入れない」という択一を迫られることになる。
 逆に言うと「誠実に努力するとしても、最後は無責任に書くしかない」ということでもある。だって買った人が使い方も知らず「お守り」として書いてあるそのまま持って行って道に迷って行き着いたどこぞの深い森の奥で「使えね〜ぞぉ!」なんて喚くのまで責任取れっこないでしょ。
 まぁ緊急用品に限らず山道具の「お勧め」なんてそんなものだし、最終的には道具の「お勧め」なんて本来は全てそんなものなのではあるが。

・ファーストエイドの入れ物。

 有名ブランドの空ケースを買って一から全部検討するより、自分で足し引きするベースとして既存のセットを買ってしまうのが安く上がるかも知れない。

 色々入って1000円だから安いね。どれでも良いから何か選んで、以下そのベースキットに入ってなくて必要なものを買い足し、登山で使えないものを抜いていくことになる。
 色は赤色をお勧め。

・サバイバルシート。

 個人的には、過信しないのが重要だと思う。シート自体の遮熱と、寝袋としての保温性は別のものだからだ。シートの遮熱がいくら高かろうが体に密着できず隙間風が入るので、言うほど暖かくはない。「小型軽量の割に有効だ」という程度のことで、使う羽目に陥った時には保温着をあるだけ着込むのは当然だ。
 場合によってはグラウンドシートやタープにするとか、ツェルトに入らなかった荷物を濡らさないために巻くとか、いろいろ使い方は広がるものなので、ネットで情報収集しておいて欲しい。

 時々値段は変更になるみたいだけど、、、5枚セットで212円、送料無料ってホントかよ(^_^;

 袋になっている製品もあって、保温性は高くなると思うけど、高価。

・インシュレーションジャケット。

 △11の考え方としては保温着の主力はフリースであるが、それでも保温性が足りない場合に防水の緊急用品セットからインシュレーション(ふわふわで身体の周囲の空気を固定し保温する)の服を引っ張り出して足す、という位置付け。
 インシュレーションにはダウンと合成繊維がある。傾向としてはダウンが小型軽量、合成繊維は気軽に扱える。ダウンは洗濯とか、羽根抜けとか、濡らすと大幅に保温性が下がるとか、いろいろ気を使う場面が多いんである。
 お勧めはファイントラックのポリゴン2ULジャケット。

 これはダウンと合成繊維のイイトコ取りのインシュレーションで、合成繊維で気軽に扱えるのに、ダウンと同等の小型軽量を併せ持つ。欠点は高価。「ユニクロのダウンジャケットじゃダメなの?」って少し大きく重くなるのと、ダウンだから濡らしてしまえば保温性はないものと思わねばならん、っていうだけで、特に問題ないよ。

・着替え1セット。

 ここでとにかく夜をやり過ごす、となった時に服が濡れていると非常に冷え込む。ツェルトをちゃんと張って「もうこれ以上濡れることはない」となったらちゃんと乾いた服に着替えると全然違って来る。
 「出したらこっちも濡れていた」では話にならない。完全防水しておく。絶対にもう身体を濡らさないという確信ができるまで開封しない。

 下山後の着替えセットを兼ねる。
 登山ってのは着た切り雀で汗だくの生活を数日続けたりするわけである。特に公共交通機関に乗る場合には匂いで周囲に迷惑をかけていないか心配になる。
 例えば登山基地に下山後、近くの温泉に寄った後でこのセットを着るとさっぱり気持ち良く帰宅できる。

・魔法瓶/懐炉

 フリースを常用しインシュレーションも非常用品に入っていれば寒さに関してはバッチリか、というと、ドジを踏んで身体を冷やした場合、保温しても体温はすぐには戻らずしばらくガタガタ震えることになる。こういう場合一番即効性があるのは温かい飲み物を飲む=内側に熱を入れること、次が懐炉=外から熱を与えること。

 テントのポケットには使い捨て懐炉がいくつか入れてある。以前はそれ以外の懐炉も使い捨てだったのだが、ゴミの問題、発熱量の問題から△11はハクキンカイロミニを買った。

・細引き

 細いロープね。ツェルトに装着してあるので、緊急用品ではあるが緊急用品セットには入っていない。
 アライテントのツェルト張綱セットは4m×2本、自在×4、50g。ファイントラックのツェルトガイラインセットはφ2mm×5m×2本、蓄光自在×4、40g。スノーピークはφ4mm×10m、1本。

 好日山荘みたいな専門店へ行くといろいろな色や柄の長巻があって切り売りして貰えるので、個人的には5mを色違いで2本買い、前後の色分けで設営する時に出入り口がどっちなのかすぐ分かるようにしてある。可能なら細引き自体も、それが不可能なら自在だけでも蓄光タイプにしておくと、間抜けな隣人の足が引っ掛かる可能性を減らせる。

・テーピングテープ

 本来の用途のほかに、例えば靴、バックパック、テント、マット等が破れた時の応急処置に使う。長巻のまま持っていくと場所を取るので、個人的には一部をトレッキングポールに巻き直してある。

・常備薬

 乗り物酔い止めとか、下痢止めとか、痛み止めとか、自分の傾向を知った上で対策品は人によって違うだろう。ただ症状を止める薬で症状が消えても、根本の改善になっていない場合もあるので、そこは要注意。そのまま持っていくと嵩張るので小分け容器に移して持つ。登山用品で買うと高価になるので、化粧品用がお勧め。

 どれでも良いけど、こんなんどう?
 すぐに欲しいなら無印良品でも同類を売っている。

・エマージェンシーファイアースターター

 マグネシウム合金とステンレスをこすることで点火する「火打石」。濡らしても拭けば使える。何でも良い、と言いたいところだが、「点火が非常に困難だ」とか、「棒がすっぽ抜けて行方不明になった」とかいう話を聞く製品もある。

 お勧めはライトマイファイアーのファイアースチールスカウト。

 買うのであれば、火器関連のものなので、赤色をお勧めする。理由は燃料ボトルは赤、飲料ボトルは青で!まで。登山における点火装置、2014年05月版を書いた時に存在した橙色はなくなってしまったようだ。
 現行の2.0はステンレス棒の付いている黒ハンドルがホイッスルになっている。

・ホイッスル。

 遭難して助けを呼ぶのに声は思ったより届かず、またエネルギーを消耗する。そこで使えば気がついて貰える可能性を高くでき、省力化を図れる。

 △11のシステムでは、エマージェンシーファイアースターターのファイアースチールスカウト2.0がその機能を持っており、わざわざ別に持つわけではない。

・ポケットナイフ

 以前と比較して随分「持て」という空気は薄くなったが、やはり持った方が良い。一番緊急なのはテント火災の際切り裂いて脱出する、という場合である。
 普段は、フリーズドライやレトルトの開封がうまく行かなかった時に使う。箸を忘れた場合には木の枝を拾って来て削って作る機会があるかも知れない。また珍しくはなったものの缶詰で缶切りが必要なタイプだとか、開封に失敗してタブが取れちゃってどうにかしたい、等という可能性も皆無とは言えない。

 定番ではあるがヴィクトリノックスは安心感があり、安価だ。一番小さいクラシックで充分。

 周囲に威圧感を与えにくい。結構紛失するので、多数の中古セットをやっほ〜で落札しておいてそこから使えば長期的に費用を圧縮できるかも。
 物欲にまみれている人は「最上位機種のスイスチャンプが欲しい」とか言い出すが、どうせ道具を全部覚えられるわけでなく、ハンドルが分厚くなって使いにくいだけだ。
 これも、非常用品ではあっても非常用品セットには入れない。ヘッドライトと同じくすぐに出せる場所で。そのためにも小さい軽量なクラシックなのである。

・予備の靴紐

 前は持っていたけど、今は持たない。出発前のチェックで問題がなければ1週間歩いたくらいで問題が出てくるとは思えないし、反対側の靴紐と同じ長さに切った細引きで下界に降りるまで歩くくらいはどうにかなるからだ。

・非常食

 登山における食事、2014年10月版まで。

・非常用水

 特に残量が見えないハイドレーションシステムを使用する場合には重要だ。登山における給水、2016年07月版まで。

・ラジオ

 登山における携帯ラジオ、2016年06月版まで。

・その他小物

 アクセサリーカラビナは登山用品屋さんで買うと250円/個とかだが、100円ショップのセリアに行けば108円/4個で買える。約1/10ですな。
 便利だけど、荷物の外側にいろいろぶら下げると不安定になったりどこぞに引っかかったりして場合によっては危険なので乱用しないように。

 ツェルト設営に必要な、ロープの長さを調節する自在やペグは必要な分をツェルトに装着して持ち歩くが、+αの予備をいくつか緊急用品セットに入れてある。

 自在を買う時には、使用する細引きの太さに対応するか確認を。ペグはある程度軽量なのを選ぶが、消耗品なので高価で超軽量なのは不要。

関連記事:
登山における用具全般、2016年05月版

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