2012年08/21朝、起きると少し頭痛があって先行き不安だ。昨晩は悪くなかったし、睡眠時間も取ったし、無理もしていないんだけどなぁ。
まぁそんなに酷くはないので、悪化させなければ今日の行動には支障にならないだろう。

天気は予想通り絶好で下は雲海、上は快晴。
浅間山、富士山、白山まで見えている。
この写真でも中央少し右の八ヶ岳は無論として、富士山が画面右端に写っているのが分かる。

安曇野を見下ろす方角に一本の樹が立っていて、シルエットになっているのが格好良かったので撮影。
下が雲海になっていることもよく分かる。
風がかなりあって、蝶ケ岳ヒュッテの毛布をマントみたいに羽織って来ている人もいる。

西を見ると朝の赤い光が空を染めて美しい。
左の凹カーブしている部分はキレット、右に切り立っているのが槍ヶ岳。
寒いので、あまり長い時間出ていると体調を悪化させかねない。朝焼けは少しの間出ただけで、ぎりぎりまで横になるために部屋に帰ってまた寝ることにした。
暗いうちに出て行く人も多いくらいで山小屋の朝は騒がしく、横になっていただけで睡眠時間にはならない。
朝食もやっと最低限を掻きこんだだけで終わりにした。
朝食でテーブル隣になったおばさんが急に「昨晩星を見ていた方じゃないですか。解説していただいて本当にありがとうございました、良い思い出になりました」と言われてちょっと驚いた。解説して良かった。
朝食を済ますと荷物をまとめて6:13出発。気持ちとしてはもう少し寝ていたいがもうこれ以上寝ていても良くはなりそうにないし、あまり遅くなると暑くなってそっちで体調を崩す可能性もある。
常念岳はすぐそこに見えている。
山の中では近く見えても時間はかかるのでその覚悟はしている。一時的に標高がかなり降りてしまい登り返しがあると聞いているし、まして体調も万全ではない。
6:45横尾からの合流地点でルート上に雷鳥の親子連れがいたので、追い立てないため小休止を兼ねて行き過ぎるまで停止して撮影。
どうもこのカメラ、望遠だとピントが悪い気がする、、、この写真も確か光学的な望遠側いっぱいでデジタルズームの領域には入ってないと思うのだけれど、全然写真になっていない(T_T)4949
全部で6〜7羽程度の家族だった。ゆっくり上高地側へ移動して行く。少なくとも1羽が大きかったので親だろう。子どもが鶉の成鳥くらいの大きさかなぁ。
保護色で非常に分かりにくいけど、この写真には2羽写っている。
この辺からだったと思うが、横尾山荘で働いているという若い男性と同行になった。無論ペースは△11の方が大幅に遅い。今日はお休みで歩きに来たそう
で、これから常念岳に行き蝶ヶ岳に行ってから帰る予定とのこと。「10時までに常念岳に登りたい」というが、そんなハイペースで行けるかぃな?
天気はとてつもなく良い。稜線上は遮るものがないので日射は厳しいが気温は低く、景色は良い。
いろんな雑談をしながら歩く。ずっと稜線歩きかと思ったら、森に入ってしまったりして意外に変化がある。稜線上なのに池もあった。聞いていて想像していた以上に標高も下がる。聞いていたとおりブヨは多い。大変だ。
何度か昇降した後、目の前に常念岳が聳え立つ場所にたどり着いた。コースを逆行している人に聞いてみると、ここからは登るだけだ。それにここを登りきれば今回の目標をすべて達成し、後は帰るだけになる。
当然ここからの登りも厳しいが、そういう意味では目処がつく場所まで来たと言える。
振り返ると安曇野側からの吹き上げが始まっており、安曇野は見えない時間帯が増えた。
この辺りまで同行して来た横尾山荘の男性は、正規コースを探しつつ岩の尾根を歩いている間に離れて、自然に先行される形となって別れた。引っ張ってもらっていたので、別れてからは如実にペースが落ちる。
ただこれまで散々好天の中歩いてきたので常念岳からの展望は良くなくても構わないし、常念岳まで行ったら後は暗くなる前に三股駐車場まで辿りつければ問題ない。急がず、ゆっくり歩く。
雲は少しずつ増えているものの、大きな崩れは全くなく、槍ヶ岳から奥穂高が変わらず見えている。
奥穂高が少し遠くなり槍ヶ岳が少し近くなったような気もする。
槍沢が隠れているなど、森に入る前と見えている角度がかなり変わったのは間違いない。
時間が遅くなるに従って、だんだん安曇野からの吹き上げがはっきりして来ている。
尾根を境に左の安曇野側はベタ曇り、右の上高地側は快晴だ。
かなり時間が経過したところで横尾山荘の男性が降りて来てすれ違う。9:40に常念岳山頂について、さっきまでゆっくりしていたという。凄いのぅ。
結構ヘロヘロしつつ11:10常念岳山頂に到着。祠のすぐ右に槍ヶ岳が見えている。
蝶ヶ岳ヒュッテで近くに寝ていて、朝△11より少し遅れて出発した70代の男性が先着して昼食を食べている。「今日は常念小屋に泊まるつもり」とのこと。
トンボが凄い。何千匹とも知れない大群が安曇野側から来て、上高地側に降りて行く。
視界はかなり良好で、近くに座っていたグループが三俣蓮華だ、鷲羽岳だ、黒部五郎だ、雲ノ平だ、赤牛岳だ、剣岳だ、と同定していたが、興味を持てなかった。
登頂の少し前にソールが剥がれ掛かって応急処置をした男性がこれから三股に降りるというので一緒に降りることにし、2人連れで11:35出発。ソール剥がれの応急処置をしながらの歩行なので、5年ブランクがあってペースが遅い△11にはちょうど良い。
常念小屋方向へ少し降りるとすぐ大き
な看板があって11:45右折。しばらくは尾根歩き。
降りる側が真っ白だったので降り始めれば涼しいかと思ったら、霧が切れて意外に暑い(T_T)4949
休憩時にコースタイムを計算したら常念岳山頂から三股までで5時間だ。その通りなら三股に17:35となり、少しばかり遅れても日の入りには余裕がある。森林限界より下がればミスコースの可能性はほとんどなくなるし、目的地が小屋でないので迷惑を掛ける相手もいない。この時間でも問題ないだろう。
12:30左側にトラロープを張った道が分岐していた。廃道になっている常念小屋からの巻き道だ。
その辺りで上から降りて来たのはさっき山頂で「今日は常念小屋に泊まるつもり」と仰っていた男性だ。「明日浜松で飲み会があるのでやっぱり降りてきた」とのことでここからは3人連れになった。
前常念らしき場所を通過し、岩室の前を通りすぎると急に下り始めた。大きな岩だらけなので結構大変だ。一時ストックをしまった。
コースタイムの目安は前常念を含め三股までに2箇所あったのだが、前常念では時間を見るのを忘れた。もう一ヶ所は場所がはっきりせず時間を確定できなかった。
降りても降りても標高がなかな
か下がらない。
ある場所で「高度計は2300mを表示しているが、雲の間から見える常念岳2857m、蝶槍2664mと比較してもう少し降りているん
じゃないか?」という話になった。△11がマップケースに入れて首から提げているのは白黒コピーで標高がよく分からず原本をザックから出して見つつ歩き、その後地図との兼ね合いなどから高度計が正しいことが判明して来た。
余談になるが、高度計は今後欲しい。コース上どこにいるのか、点で確定できる。腕時計に入っているタイプなら邪魔にならない。そしてマップケースに入れるコピーはカラーですべし。
やっとの思いで森に入ったところで、ソールが剥がれた人がドリップコーヒーを持っているというのでごちそうになった。結果的にこのタイミングはベ
ストだった。その前は岩稜、その後は森林、どちらも急斜面で、ゆっくり荷物を広げる場所がなかったし、結果として常念岳と三股のほぼ中間地点でもあった。
ダケカンバの伸び方が素直になり、路傍の笹が高くなり、表土が分厚くなってポールが刺さって抜けにくくなり、沢音が聞こえるようになり、シラカバを見かけるようになり、上の勾配より下の勾配が緩くなり、、、少しずつ俗世間の匂いが濃くなる。一瞬雨がパラパラ降って来たが、雨具を出すほどでなく樹の葉を濡らすだけで終わった。
延々森の中を歩いて17:20に三股に到着。休憩時間を含めてではあるが、ほぼ11時間を歩き続けたことになる。
うち最終5時間をともにした同行3人でお互い感謝。
50m歩いて登山口に出、林道800mを歩いて駐車場に到着。同行2人とお別れした。
確認できた故障は右足小指にできた水ぶくれのみ。
この後テントを撤収、事前に情報をカーナビに入れてあったきまぐれ八兵衛で夕食。
ほりでーゆー四季の郷で入浴を、と思ったがかなり遅くなってゆっくりできないことが分かったので止めてしまった。
これまでだったらこのまま名古屋まで走ったが、今回は少しゆっくりすることとし、カーナビに宿泊場所を列挙してもらい順番に電話を掛け、2軒目でビジネスホテルが予約できた。そのままカーナビに案内してもらいすんなり到着。大浴場でゆっくり入浴し、就寝。
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